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紅茶詩篇『悪魔は神が嫌いじゃない』


 悪魔は神様を嫌いなわけではなさそう。
 宗教的な意味に於いて。
 悪魔は神様を狂信しているひとが、
 きっと嫌いなんだ。

 悪魔は神様を嫌いなわけではなさそう。
 文化的な意味に於いて。
 悪魔は神様を知らないひとに嘘を言って、
 からかって遊んでいるだけなんだ。

 悪魔は神様を嫌いなわけではなさそう。
 悪魔学的な意味に於いて。
 悪魔は自分がやったことの取り返しがつかなくなると、
 神様に助けてくれと縋りに行くんだ。

 悪魔は神様が好きなんだろう。
 自分が近づいても苦しまず、
 追い払われるだけで、
 それでいて友人になれない相手なのだから。

 悪魔は神様が好きなんだろう。
 何処へ行っても嫌われる自分らのことを、
 当たり前のように嫌ってくれる。
 自分が嫌われ者だと拗ねていなくていい相手なのだから。

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