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紅茶詩篇

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2024年3月の記事一覧

紅茶詩篇『凍てつく冬薔薇』

紅茶詩篇『凍てつく冬薔薇』

 うつくしいものが分からないことは、
 怖いものが分からないことと同じくらいには、
 恐ろしく危険なこと。
 世界が終わる冬薔薇の時刻、
 巨悪の心が零してしまったんだ。
 もしも奇跡が消えた夜に。
 喪われた青い星の軌跡の果てに消えてしまった。
 そして忽ち崩れ去った。
 悪は人間を嘲る場所に在るのに、
 うつくしいものへの畏怖に慄える心は持っているらしい。

 うつくしいものへの畏れがない者は

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紅茶詩篇『牢獄』

紅茶詩篇『牢獄』

 私は学校が嫌いだった
 学校での出会い全てが
 何一つとして誰一人として
 私を助けてはくれなかったから
 高校生で心を壊して身体を壊した私のことを
 誰も気づいてはくれなかった
 死にたいとこぼしたところで
 教師は明るく笑ってる
 仕事の方が好きだった
 傲慢な教師みたいな大人は
 一般的な社会にはいないからだと思った
 自分より経験値がない人間を相手にしていることを忘れて
 傲慢を働いてい

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