協調性は才能を潰す
TVアニメ『AI の遺電子』を観た。その中で最も印象に残ったお話についてここにつづる。
第5話に登場するとある少年は些細なことでも激情に駆られてしまうため、学校生活になじめずにいた。その一方で激情をピアノの伴奏に反映させることにより、素晴らしい音色が生み出されるのであった。
しかし、実生活において実の母親すらも彼に才能を生み出す者はいなかった。結局、少年は(合意の上で)治療を受け、その後周囲の人々とのコミュニケーションが良好となった。美しい音色と引き換えに。
これをハッピーエンドと捉える者は正直少なくはないだろう。私も少年の暴力性は目に余るものだと感じた。
それでもやはり少年の才能を潰してしまったのはあまりにももったいないと思う。もしも私が(才能に理解のある)主治医の立場であったならば、ピアノのプロを目指すといった選択肢を提示するだろう(無責任と言われればそれまでだが)。
一人一人が思う存分才能を発揮できる、そんな世界が広がることを願う。