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青春のひつまぶし

こんにちは。お盆休みを優雅に過ごしているラスターです。

「ひつまぶしを食べに行こう」と、数日前に友人からお誘いがあり、久しぶりに会うこともありちょいと奮発して食べに行ってきました。

鰻の絶滅を恐れているので土用の丑の日は鰻を食べないようにしていますが、結局好きなのでこういうときはホイホイ食べに行っちゃいます。

鰻屋で有名な店「ひつまぶし 備長」
今回は大名古屋ビルヂングにあるこちらのお店に行ってきました。

メニューには普通のひつまぶし(3800円ほど)から、究極ひつまぶし(1万円)までありました。究極ひつまぶしってなんなんだ……

社会人といえども最近お金を使いすぎていてあんまり贅沢はできないので(最近お金を使ってる話はまた別に書きます)、普通のひつまぶしをいただきます

十分贅沢だろという批判の声もあります。

2枚目は友人がめっちゃポーズとってくれてるのにひつまぶしの力によってピントが奪われてる写真です。

そんな友人はさておき、皆さんはひつまぶしを食べる手順をご存じでしょうか?

名古屋では小学校卒業試験で手羽先の食べ方を、中学卒業試験でひつまぶしの食べ方を問われるのですが、
県外ではどうやら義務教育を受けている方でもご存知でない方がいるようなので、念のためここでおさらいしましょう。

なんか著作権フリーのイラストが転がっていたので利用します。

画像のとおり、まずはしゃもじで、おひつのご飯を四等分します。

そのうち3つを3通りの食べ方で、
そして最後は一番好きな食べ方で食べるというのが、ひつまぶしの最もスタンダードな食べ方です。

1杯目、鰻丼を食べ。もう4分の1食べちゃった。

2杯目、薬味と一緒に食べ。もう半分食べてしまった。

3杯目、ダシを注いでお茶漬けで食べ。

もう、もうあと1杯しか残ってない……。

4杯目、俺はどう食べるのが正解なんだ、どう過ごせば良いんだ、なぜマニュアルは最後まで正解を示してくれないんだ、俺はっ、どうしたいんだ……!

気づけばあっという間に過ぎ去ってしまうその時間は、青春のようだった。

大学を思い出す。

もう1年が過ぎてしまった。良い1年だった。

もう大学生活が半分終わってしまった。良い2年目だった。

とても楽しい3年だった。もうあと1年しか残っていない……。残りをどう過ごすのが正解なんだ……。

ひつまぶしの最期の1杯を向かえたときの感情は、大学時代に最期の1年を迎えたときの気分にそっくりだった。

ひつまぶしは、青春だったのだ。

鰻丼がおいしいのだからひつまぶしが美味しいのは当たり前、という人もいるだろう。

それは一見正しい意見だ。ただそこにはひつまぶしの奥深さを見透せていない浅さが伺える。

ひつまぶしというのはただ鰻丼をいろんな食べ方で食べるだけではない。

4分割にし、順に食べる過程で時間と感情の流れをも楽しみ、あまつさえ最後には正解を示さず己の正解を探させる。

もう食べ終えてしまうという悲しさも含みながら、迷いや不安を振り払い、自分の食べ方を決定する。

正解はない。が、どれを選んでも正解となる。

「自分で決めたこと」それこそが本当の答えだということを、人は4杯目を食べ終えたその時に知るのだ。

ただ、自分で一番好きなものを選ぶという行為によってより幸福度を高める。それがひつまぶしの本当の凄さなのだ。

それはやはり、高校生以降、自己決断によって各々の道を歩み始める青春そのものと言って良いだろう。

食べログ評価が3.6を越えない名店は絶対美味いという理論、やっぱり正解ですよ

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