- 運営しているクリエイター
記事一覧
心から震えたあの瞬間に
美術館が好きだ。
ソーシャルメディアの沼で生きる僕らは
純粋な心を失い、沈黙のメッセージを受けとる
ことすら忘れている。
生や死のメッセージを放つ作品の前で
ナルシスティクなポーズ、作った表情で立つ君
との間にある、相反するコンテクストは
磁石のマイナス極同士を永遠とくっ付け合う
ように生ぬるい空間へと変わっていく。
ディスプレイ一枚を隔てながらでしか
世界が見えなくなった僕らと
生身の身体から解
生きていく誰かのために
喉が熱く痛む。視界は歪み、悲しみの雫がマスクを濡らしていく。空きすぎた電車。片道1時間半の出勤。
毎日が悲しい。きらきらと輝いていた記憶のピースがぽろぽろと剥がれ落ちる。
絶望にひれ伏した。
帰りの電車。全てが無になって電車の席から立ち上がれなかった。視界は歪む。頭は重い。幸福は消えた。
駅のトイレでひたすら泣いた。泣き続けた。何がどう辛いのか、そんなのわからないくらいになって、ひたすら涙