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セレじょTRPGは本当にTRPGなのか

はじめに

 まず、つべこべ言う前にこのアーカイブを観よう。

 はじめにこの配信を観て思ったことは「これはTRPGじゃなくてマダミスやん」である。実際、そう思った人はTwitterでも多い故にTRPGという名称を使ったことに憤慨している人がいるのだろう。私もそうだ。

 まず、下記にうだうだと意見を述べるが、何が問題なのかということを言うと

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 上の画像にもあるようにグウェル・オスガール本人がTRPGでないことを概要欄に示しており、上記動画の3:50~辺りに「ワンナイトマダミスと言う感じです」と言っており、TRPGでないことは伺える

 にも関わらず、タイトルはTRPGであるし、本人も2:30~辺りには「TRPGの触りとして」と頑なにTRPGという言葉を使っている

 また、実際、その時のコメントを見ると「マダミスて感じか」などTRPGという認識ではないコメントもちらほら見かける。が、(実際はその時間のコメントにもわずかにパラノイアとかシノビガミといったコメントは合ったが)動画のコメント欄ではTRPGであるという認識をしている

 過去の炎上事例持ち出すなら本案件はパラノイアではなく、デザイナーもそれを認識してるのに頑なにその名称を使い続けた忍者風パラノイアの事案に近いだろう。つまりは誇大広告だということ

そもそもTRPGの要素て?

 序文でもう何が問題か結論まで明らかにしたので以下は正直本題ではない、だが一応TRPGとなりきりの境目だとかそういったものが意見としてちらほら見かけるので、そこについても述べる。

 まず、ランダマイザーが無いことについてTRPGかどうかを持ち出す意見があったが、ランダマイザーの有無はTRPGには関係ない
 そもそも、ランダマイザーがないTRPGは1981年に Hero Games社のChampionを筆頭としたHero systemが開発されているし、完全にダイスを排除したAmber Diceless Roleplaying Gameが1991年にPhage Pressより発売されている。今日の日本においても「ゆうやけこやけ」や「ドラクルージュ」と言ったランダマイザーのないTRPGは存在するだろう。
 なので、ランダマイザーの有無で語るのは論点になりえないし、間違っている

 では何が問題なのか、これをTRPGと比較した時、これは場末のなりきり板にしかならないということだ。

 ルールとして口プロレス要素が強いと言うのは度々上がっており、実際、ルールがルールとしてしっかりと制定されておらず、GM判断やPLの口プロによるところが多分に含まれることが問題である

 TRPGとはロールプレイとなりきりの双方が要素とされており(ケイオシアム社、グレッグおよびリンの定義)
 ロールプレイとは役割を演じることであり(詳しい解説は以前の記事で)
 役割を演じるにはそのゲームの世界観がはっきりしている必要がある。
 そして、ゲームの世界観とは、その世界の物理法則、倫理観、歴史、特徴……すなわちルールである

 このルールが確固たるものではなく場当たり的なものであればキャラクターを構成する世界観の土台は簡単に崩れてしまう。世界観という自身の役割やキャラクターの保証を失いかねない状態ではとってもゲームとは成立し得ない。要は汎用性が全く無い
 これは場末の掲示板主の機嫌を見ながらなりきりをしていたあの個人掲示板の様子そのままである。(やってる本人は楽しいし、傍から見ると楽しそうなんだけど、ハードルが低そうに見えて実際は高く、既に形成された身内以外は入れないあの感じ)

 TRPGがTRPGであるために、ロールプレイやなりきりのゲームがロールプレイとなりきりのゲームであるためには確立されたその世界を構築する汎用性のあるルールが必要なのである。残念ながら、そういった意味でその場限りのルールぽい何かで進行していくセレじょのこれはTRPGとは呼べないだろう。

マダミス?人狼?

 結論は何度でも言うがこれはただのなりきり板。

 マーダーミステリーかどうかというのを述べるには余り知識はないが、元ネタがシャーロック・ホームズの群像劇であったり、そもそもミステリーと銘を打っていることはノックスやヴァン・ダインを無視するとしてもマーダー(殺人)では無いので違うのかな?という感じがする。ミステリーなりきり板が近い感じかという気もするが、ミステリーと言うには犯人がわかってるから古畑任三郎やコロンボ形式なのかなという感じである。
 人狼は、まあそもそもゲームかどうか怪しいけど、なりきり要素が非常に薄いから少なくともこれで無い気がする。

 まとめると、コロンボ形式のミステリーなりきり板て感じが一番落ち着くところかなと思う。

最後に

 グダグダ言ってきたが、結局のところ最初に戻り、これはTRPGではなく、にも関わらずそのことを認識してるのにTRPGという名称を使い続けるのが問題である。


蛇足になるが、この件を持ち出してTRPGの定義とはーTRPGとはなにーか述べるのならば、それよりも一応ボードゲームとして発売されている冒険企画局さまの「15」がTRPGとボードゲームの境目て感じなのでそれを持ち出したほうが対象として適切だと思う。

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