【歌詞批評】恋のもどかしさ: 宇多田ヒカル『Can you keep a secret?』/GLAY『とまどい』

 宇多田ヒカルの「can you keep a secret?」とGLAY「とまどい」は、両曲ともに片想いの恋愛感情と、それを秘密にするかどうかという葛藤を見事に表現している。

 宇多田ヒカルの「can you keep a secret?」は、

 「伝えよう やめよう このまま隠そう
逃げ切れなくなるまで
信じよう だめだよ まだ疑えそうだもの」

 相手に対する感情を伝えるか、それとも秘密にするかという葛藤。そのためらいや不確実性を強調し、秘密を保つことの困難さとそれが引き起こす懊悩を描いている。

 相手自身にはっきり伝えるか。
 相手に暗号を読み取ってもらうか。
 それとも伝えないで終わるか。

 次に、GLAYの「とまどい」を見ていく。

「確かめられぬもどかしさに震えてる
たったひとつの愛言えないまま
友達のままでいい」

 宇多田ヒカルと同様に、相手の反応が予測できない、また思いを告げることの恐怖、という状況に対する「もどかしさ」を巧みに表現している。

 そして宇多田ヒカルと異なる点は、恋愛を進展させず、「友達のままでいい」という決意について描いていることにある。
 悲しいかな、しかしこの一行に価値がある。


 それぞれの歌詞は、片思いの「もどかしさ」を探求する魅力的な作品である。

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