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音楽

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#YUI

【歌詞批評】夢追い人の大らかさ: YUI『blue wind』

 YUIの「blue wind」の歌詞は、傑作である。
 夢追い人の大らかさを、見事に描いているからである。

「発明家は偉い人だと教えられた
努力する モノを生み出す」

 音楽家を目指して生きていく自分自身を「発明家」に喩えている。

「でもそれに群がってゆく人たちこそ
かしこくて長生きだ」

 そんな自分自身の対比として、夢もなく流れに沿って生きていくだけの人。
 その人達の方が、ズル賢く世

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【歌詞批評】つよがりの捉え方: YUI『TOKYO』

 YUIの「TOKYO」の歌詞は、傑作である。
 それは、つよがりの捉え方が見事であるからである。

「つよがりはいつだって夢に続いてる」

 つよがりとは一見ネガティブなイメージがある。自分を大きく見せたい、良く思われたい。
 しかし、この部分は、つよがりをする根底には夢があるのだというポジティブな事実に気づきを与えてくれる。

「正しいことばかり選べない
それくらいわかってる」

「答えを探す

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【歌詞批評】反抗から肯定へ: 尾崎豊『卒業』/ YUI『My Generation』に見る自由

 尾崎豊の「卒業」とYUIの「My Generation」は、青春期の自由をテーマに扱っているが、両曲の自由の解釈には大きな違いが見られる。

 尾崎は社会への反抗を、YUIは自己肯定を描いている。
 
 尾崎の「卒業」を見てみよう。

「夜の校舎 窓ガラス壊してまわった」

 彼の抱く未来への不確実性や社会への反抗心が感じられる。「この支配からの 卒業」をキーフレーズに、彼は青春という時期を、自

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【歌詞批評】自分らしさへの挑戦: YUI『How Crazy』

 YUIの「How Crazy」は傑作である。
 その理由は、自分らしさと同調圧力の間の葛藤を鮮やかに描く点にある。

「尊敬できない大人のアドバイス
アタシはあなたみたいにはなりたくないと思った」

 社会の一般的な期待と規範に対する彼女の反抗を示す。他人や社会が彼女に対して押し付けてくる役割ではなく、自分自身の価値観に従って生きることを望んでいる。

「わかったようにアタシのこと話すのはやめて

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