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蠍座の新月(真の光)

10月25日蠍座の新月です。

蠍座


蠍座は、牡羊座から数えて8番目のサインで牡牛座の対面にあたります。
深い体験、変容、死と再生、といったことのほかに
内在する矛盾を乗り越え一体化することでの変容、
深くかかわることで、自分の可能性を開く、
といったいずれも深い体験を表します。

蠍座の神話

ニコラス・バーティン「アポロンの馬車をひくパエトン」

太陽神アポロンの息子にパエトンという青年がいました。
彼は父が太陽神であることを誇りに思っていましたが、友達は誰も信じてくれません。
そこでパエトンは父に会いに行き、太陽の戦車を貸してほしいと頼みます。
アポロンはこれを拒否しましたが、パエトンの変わらない意志に根負けし貸すこととします。

はたして、パエトンが手綱を握る4頭だての戦車は順調に走り出します。
しかし、行く手には、夜空の星座達がおり蠍座のサソリを観たパエトンが怖くなってひるむと、
(または馬がサソリに刺されたため)馬車はとたんに暴走をはじめ、地上や天空を滅茶苦茶に走り回りました。
太陽の戦車が近づいた地上では火事が起こり、天空も焦がしてしまいます。
慌てた大神ゼウスはやむなくパエトンを雷光で殺しました。

蠍座の中の月

蠍座の中での月は、12星座の中でも最も居心地が良くない状態であって、
月が自己表現することをある意味困難にさせているとされています。
それは、先ほどのパエトンの神話にも包含されているように、
自分の目的(感情)を表現しようとすると、蠍によって阻止される、という矛盾を突きつけられてしまうのです。

なぜなのでしょうか。

月は本来、自分自身の感情を表現するものと解釈されてはいるのですが、
それは太陽に照らされて日々変化している「感情という生き物」そのものであるとも思えます。
牡羊座で生まれた私という感情が、天秤座までの旅を経て蠍座にさしかかると「蠍」という死を司るものに「初めて」対峙します。
それまで、感情を表現することを多少たしなめられたことはあったにせよ、「蠍の毒」ほどに強い抑制(すなわち死)は経験がありません。

月が体験するもっとも大きな困難が蠍座による「感情の死」なのだと、「体験」するのです。

しかし、蠍座は、死にっぱなしの星座ではありません。
パエトンが乗っていたアポロンからの借り物である馬車は壊され、自分で立ち向かわなかった報いがゼウスによってもたらされます。
そして父アポロンにも、愛息を神の雷によって失うという大きな代償がもたらされます。

蠍座の支配星である冥王星も死と再生の天体ですが、これも「偽りの真実」は破壊し尽くします。
借り物や偽りの感情は壊され、自分のものになっていたと思っていた「感情」が、自分の根源から湧き上がってくるものであるのかそうでないのか、
シビアに振り分けられるのが蠍座という場所になります。

蠍座の新月

そんなシビアな状況にある月は太陽と共にあり、
シビアな感情をもっと昇華させたものとして注意深く観察した結果、
偽りや過去を手放していきます。
その結果、心(存在)の中に平和・平安を見出します。
それは、無私の心が真に望むものであり、暗闇を光に変えるものとなります。
蠍座が意匠する「深い繋がり」の中で起こりますので、
大切な人、事象との関わりにも思いをはせるようになります。

新月のチャートを見てみます。


新月は5ハウスにあり、10月23日に蠍座に入ったばかりの金星がすぐそばにあります。5ハウスは創造性のハウス。
新しいことを「楽しむ」部屋です。子供のような純粋さで楽しむ部屋です。新月に重なる金星もまた、自分が楽しいことを受け入れる受容性をたかめますのでとても心地のよい新月と言えます。
しかし、先ほどお伝えしたとおり、ここは蠍座ですので、
物質的な豊かさや楽しさよりも、「精神的な」豊かさや楽しさを感じられるのではないかと思います。

そして、今回の新月は部分日食を伴います。日食と月食については、以下のノードの記事に書きましたので読んでみてください。
現在、ノードのラインは牡牛座-蠍座にあり、蠍座がドラゴンテイル(サウスノード)にあたります。

蝕を伴う新月の影響は、長く続きます。1年とも2年とも言われます。新月は物事や気持ちのスタートを切るのに適しています。
今回、蠍座の2度という新しい場所で、蝕を伴い影響が長く続くという新月ですので、25日に意図したことや始めること、始めると決意することの影響は普段の新月よりも長くその影響を与えます。

金星と蝕を伴う新月。
自分らしさや、自分が本当に大切にするものを、改めて意識する新月になるのではないかと思います。



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