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天秤座の太陽(秋分)

9月23日太陽は天秤座に入ります。秋分です。

天秤座は、正義の女神「アストライア」が持つ善悪を量る天秤がモデルとなっています。アストライアが天秤を持つ姿は、タロットカードの「正義」のカードにも象徴されています。

ヤコポ・ズッキ 『銀の時代』 1476年 ウフィツィ美術館

ギリシャ神話

「正義」というと「善と悪」みたいな二択をすぐに思い浮かべてしまうのですが、ジャスティス(justice)とは、
「全ての人間にとって不都合のない 公正な思考・行動」
「真っ直ぐな心」「公平・公正」「正義」「正しい」「正直」といった意味があります。

公平・公正(フェアな状態)であることが「正義」であるという解釈はとても西洋的だなと思います。

女神アストライアが登場するギリシャ神話によると、
人間の歴史は、4つの時代に分かれていて、
黄金の時代(クロノスが治めていた時代)
温暖な気候と豊かな大地に恵まれ、人間と神々は一緒に平和に暮らしていました。

銀の時代(ゼウスが治めていた時代)
やがて人々は糧を得る為に耕作を行うようになり、
四季が始まり暑さや寒さから逃れる為に住居に住むようになります。
(冥界にいるペルセフォネが1年の3分の2の間、母デーメテールいる地上に戻るサイクルができました。)
さらには住居を守るために武器を手にして争うようになっていきました。
神々もどんどんと地上を離れていきました。
そして、この時代の人々はゼウスによって滅ぼされたといわれています。

青銅の時代
人々は戦争をはじめ戦いを好むようになります。
女神アストライアは、なんとか正義を説こうと地上にとどまり続けました。

最後に鉄の時代
地上にはあらゆる悪行が蔓延します。
人々は堕落し、好戦的となり、神の声に耳を傾ける人はいなくなりました。
アストライアは、神々の中で最後まで地上に留まり人々に正義を訴え続けましたが、ついに空へと昇っていったといわれています。

ギリシャ神話では、人間は現在もこの鉄の時代を生きていて、地上に神は存在しないとされています。

天秤座の太陽

占星術における太陽は、自分らしさを表現することを目的とする、私たちの目標そのものです。
天秤座は、双子座、水瓶座と同じ風のサインに属します。
風のサインの中での太陽は、自分らしさだけではなく、周りとの関係性が重要となります。

そのため、天秤座の中での太陽も、調和・バランス・対人関係を通して自分らしさを表現します。
周りとの関係性をとりながらの自分らしさの表現となりますので、
火のサインである牡羊座や獅子座の中で輝かせたような
純粋な自分をそのままに表すことはちょっとむつかしいかもしれません。

私の個性の表現は他者に影響を及ぼす
ということを天秤座は太陽に思い知らせるのです。

そのため、太陽は天秤座での居心地はあまりよくありません。
太陽は全般に風のサインの中では「太陽らしさ」を発揮しにくいという側面があります。

天秤座の中の太陽は、素のままの自分らしさよりも他者との関係性の中から、より安定した永続性のある自己表現を見出していきます。

牡羊座(春分)から始まった太陽の旅は乙女座で1つの形を成し、
天秤座(秋分)からは後半の6サインの旅が始まります。

牡羊座から乙女座の旅は「個人としての私」の旅でしたが、
天秤座から魚座の旅は「公人としての私」の旅となります。
天秤座は「社会や人々の中での自分らしさ」を表現する旅の出発点となります。

天秤座から突然旅が始まるわけではなく、
前半の牡羊座から乙女座までの中で紡いできた私の物語を
人々の前に広げていく旅となります。

秋分図

2023年秋分図

乙女座太陽期の9月14日頃から出来上がっていた
乙女座太陽ー牡牛座天王星ー山羊座冥王星による
地のグランドトラインと、魚座海王星との間でできていたカイトは緩み太陽は冥王星とのトラインから、土星とのクインカンクスへと向かう中で天秤座に入りました。

グランドトラインを成していた冥王星とのアスペクトによって、
牡羊座からの前半6か月の色々なことを
手放したり、整理をしたりした人も多かったのではないでしょうか。
天秤座に入っても、冥王星との影響はまだ残していますが
太陽は魚座土星とのクインカンクスを作ろうとしていきます。
クインカンクス(150度)は、共通項目のないアスペクトで、スクエアのような対立やトラインのような調和は見当たりません。
太陽と土星は互いをちらちらと見やりながら、
落としどころを探っていくといった配置になっていきます。

冥王星によって疾風怒濤のように片づけたり片付いた物事の中に、規律的なものを配置したいと思うものの、
しがらみを断ち切って新しい空間をせっかく手に入れたのだから以前と同じルールで物事配置するのはどうなのかなぁと感じます。強い葛藤とまではいきませんが、ちょっと心に引っかかる、琴線に響くような配置へと挑んでいく太陽の挑戦から、後半の旅が始まります。




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