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蟹座の太陽

6月21日、太陽が蟹座に入ります。
夏至は、太陽が蟹座に入る日です。

蟹座

ギリシャ神話


ベルナルディーノ・メイ 「我が子に驚くアルクメーネー」 (1676)

我らがゼウスは、王女アルクメネーに恋をします。
白鳥になったり、鷲になったりしてましたが、このときは彼女の夫であるミケーネ王・アンピトリュオンに姿を変え、アルクメネーの元を訪れたと言われています。をい!

これを知ったゼウスの妃・へーラーは、怒りと嫉妬で、
「もし男子が生まれた時は、決してそのままにはしておかない」と、
固く心に決めます。
そうして生まれたのがヘラクレスでした。
そして、このへーラーの怒りが、一生ヘラクレスについてまわることになります。

ヘルクレスはケンタウルスの賢者キロン(ケーロン)などについて、
医術や科学、武術などを修め立派な青年として成長します。
それでもへーラーの怒りは解けず、さまざまな試練が生涯ついてまわるのです。

その試練「十二の難業」の一つのお話の中で、ヒドラとヘラクレスが戦っている時に、へーラーが差し向けたのが、大きなはさみを持つ蟹カルキノス。
しかし、ヒドラとの戦いに夢中になっていたヘラクレスはカルキノスの存在に気付かず踏み潰してしまいます(!)
へーラーは、ヘラクレスを苦しめたヒドラと、勇敢なカルキノスに感心して一緒に星座にしました(ヒドラはうみへび座になりました)。

ギリシャ神話での蟹座のお話は、なかなかにシュールですね。
元々ヒドラとカルキノスは友達で、ヒドラの危機にカルキノスが助けに入ったともいわれています。

蟹座の根底にある神話はやはりヘーラーであり、ヘラクレスであります。
なぜ、ヘーラーはゼウスの妻で在り続けるのか、
ヘラクレスは、自分の出自の責任はないのに、ヘーラーの試練を投げ出さずに受けつづけるのか。神々の葛藤とヘラクレスの葛藤が象徴するのが、この蟹座の神話なのかなと思います。

蟹座


蟹座は牡羊座から数えて4番目に位置します。
牡羊座で得た魂、牡牛座で得た肉体、双子座で得た知性、
そして蟹座では「感情・情緒」を会得します。
牡羊座で得たことは違った形で創造物と魂の結びつきを見出していきます。

牡羊座は「火」の活動宮、蟹座は「水」の活動宮。

新しいプロセスが蟹座から始まります。

蟹座の太陽

蟹座の中での太陽は、他者と感情面での繋がりを作ることを求められます。
太陽は、自立しているという感覚を求め、それが目的であると考えます。
しかし蟹座のエネルギーは時として、
情に流され他者の助けがないと生きていけないと信じさせてしまうことがあります。

このため、蟹座の中での太陽は
(自分らしさを発揮することに)困難な状態になることがあります。
蟹座の中での太陽は、他者との感情的な繋がりの中で自分を定義しようと試みます。

魂が初めて感じる感情の中に「葛藤」があります。
葛藤が強く表れると、
他者への過剰な感情の繋がりを求める依存となったり、
他者との繋がりを極端に嫌ったりと大きく振れることになります。
太陽が目指すのは他者とのかかわりではありますが、
基本はやっぱり「自分軸」です。
太陽が求める自分軸を探し出すためにも
「自分の感情」がとても大切になってきます。
自分の感情を知り、自分で満たす。
それがあって初めて他者と関わることに通じます。
そうして、新たな自分を作っていく。
新たな自分を作ることを最初に行う場所が「蟹座」です。

「自分軸」「自己の確立」「自律」はとってもとっても大切です。

夏至から始まる蟹座がもたらす「新しい自分」を恐れることなく見つけていきましょう。


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