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双子座の水星

現在水星は双子座にあります。
4月30日~5月23日 双子座
(5月10日~6月3日逆行 5月23日~6月14日 牡牛座)
6月14日~7月5日 双子座

双子座の水星

水星は、双子座と乙女座の支配星です。

双子座は風の柔軟宮です。
風のサインは、二つのものを繋げるという二元性や二重性の性質を持っています。
双子座は、その由来もあって二重性が特に強いサインであります。
双子座の中での水星もまた、本来の性質(二つのものを繋げる)を強め、好奇心が最も強くなります。
トップスピードで駆け巡り、世界を探索し新たな発見と繋がりを作っていきます。

流石、支配する双子座の中です。くるくると目まぐるしく動き続ける水星。

ところが、水星=ヘルメスはトリックスターの神です。
双子座の中の水星もまた、本来の力である「トリックスター」としての本領を発揮します。
好奇心が旺盛な部分を善の双子とすれば、トリックスターはさながら悪の双子。
そのため、物事の二重性・二面性が「善と悪」だった場合、悪の影響も引き受けやすいことも。
ただし、「善悪」という価値観は状況や場面、立場によって変わり得ます。
その状況や場面を即座に捉えて、さまざまな策を講じます。

時に、トップスピードで太陽をサポートしながらも、くるくると興味が入れ替わり、策を弄し、物事を混乱させたりもする、ちょっと気まぐれな水星です。

ヘルメス

水星は、伝達の神ヘルメスです。
ゼウスの使者でオリンポス12神のひとりです。ゼウスとマイアの間に生まれたヘルメスは、ゼウスが託したいくつかの「策略」と「能力」をいかんなく発揮する、ギリシャ神話の中でも特に多彩な神です。
生まれてすぐに太陽神アポロンを騙したり、ゼウスの正妻ヘーラーのお気に入りのアルゴスを殺してもヘーラーに可愛がられたり、ハーデスの妻となったペルセフォネーが母デーメテールに会いに地上に帰還する際にエスコートしたりと沢山の場面や策略にヘルメースが登場します。

ヘルメースそのものが信仰の対象であったものが、のちにギリシャ神話に包含されたり、包含されたギリシャ神話から特出しされたりしているのだろうと思います。

占星術における水星はコミュニケーション、メッセンジャーを象徴します。
これは「二つの間に繋がりをつくる」ことが本質で、繋がるために必要な事柄すべて(会話、読み書き、移動など)を象徴することになります。

ヘルメスとアポロン

ノエル・コイペル 「アポロンの物語 アポロンとヘルメス」 1688年 ヴェルサイユ宮殿

生まれたその日の朝に退屈して揺りかごから抜け出したヘルメスは、兄アポロン自慢の美しい牛の群れを見つけます。50頭の牛を盗み、アルカディア山中の洞窟に隠し、何事もなかったかのように揺りかごに戻りました。大切な牛がいなくなったことに気づいたアポロンは、事件現場の状況に愕然とします。
憤怒の形相でヘルメスに問い詰めるアポロンですが、ヘルメスはあどけない愛らしい面持ちでしらをきり通します。
そしてヘルメスが生まれて二日目に発明した竪琴の演奏方法を教えて、アポロンをなだめるのでした。
アポロン(太陽)が音楽を始めとする芸術の神といわれるようになるゆえんです。
その後、ヘルメスは葦笛(シュリンクス)を考案し、アポロンが持つ「カドケウスの杖」と交換し、アポロンはヘルメスを特に愛する仲となるという神話へと続きます。      ホメロス風賛歌 「ヘルメスへの賛歌I」








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