見出し画像

The Making of Rurouni Kenshin―るろうに剣心のすべて 第十章:プロデューサー 福島聡司さん&製作担当 村松大輔さん

“前作を超える”という強い信念の元、映画『るろうに剣心』シリーズを進化させ続けた日本を代表するプロフェッショナルたち。映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』の撮影舞台裏に迫る、限界知らずのチーム「るろうに剣心」スタッフの皆さんのインタビュー連載企画!

第十章は、プロデューサーの福島聡司さん、製作担当の村松大輔さんにお話を伺いました。

さらに現在Podcastでは製作陣が撮影の裏側を語りつくす「映画 るろうに剣心最終章 レジェンドヒストリー」を配信中👏
初回配信では大友啓史監督と、本日ご紹介する福島聡司さん、村松大輔さんが登場し、全国43か所以上で撮影が行われた『るろうに剣心 最終章』の過酷なロケ地探しの裏側や、撮影中のケータリングの裏話まで、ここでしか聞けない話をたっぷり伺いました。

■こんなにスゴいことをやっていたのか!

福島 
「基本的には同じ時間の流れの物語だった『京都大火編』『伝説の最期編』とは違って、『最終章』はそれぞれ全く違います。当然、ロケ場所も違ってくるわけで、別々の作品を同時に作る大変さがありました。スタッフは同じでも、キャストは違ってくる。撮影スケジュールをどう切り分けるか。明治と幕末という時代の異なる美術も混在することになる。演じる俳優さんも大変だったと思います。もちろんスケジュール上の希望は、2本を別々に撮ることですが、なかなかそうもいかなかったのです。」

村松
「通常なら、ロケ場所はある程度、エリア毎に固めて、移動回数を減らしながら、スケジュールを効率的に組んでいくわけですが、そうすることは早々に断念しました。『るろうに剣心』に関わるのは今回が初めてですが、その噂は以前から耳にしていて、そうか、こういうことかと納得しました。画のクオリティを求めていくと、たとえば、京都や関西エリアで撮影場所をまとめるということは難しくなる。効率性を考えることは諦めました。
このシリーズを手がけてきた福島さんからも、「やはりクオリティを追求しよう」という力強い言葉がありましたしね。」

DSB00880_リサイズ

福島
「もちろん、効率を考えていないわけではないんです。しかし、これだけ多くの人に期待されている作品だけに、中途半端なことはできない。たとえば、なんで、設定は横浜駅なのに、熊本まで撮影しに行くのか? いまの横浜には当時の面影はない。であれば、それを探しに行く。熊本にはある。だったら、そこで撮りましょう。それが『るろうに剣心』なんです。」

村松
「途中から、僕は効率のことは考えられなくなりました。前3作を超える。それがテーマである以上、追求していくしかない。このテーマに思いっきり、乗っかっていきました。制作担当としては、ある意味、タガがはずれていたかもしれません。」

福島
「全国12都道府県。40ヶ所以上。ロケ場所は多岐にわたります。そのどれもが印象深い。
そして、正直、しんどいこともかなりありました。しかし、IMAXで試写を観たとき、その大変さがすべて吹っ飛びました。『オレたちは、こんなにすごいことをやっていたんだ!』そう思えたんです。やっと冷静に観れるようになった、とも言えます。
それまでは、仕上げ作業で映像を見ていても、辛いことばかり思い出していましたからね(苦笑)」

佐藤健 さんYouTubeチャンネルでは、シリーズ10年間の歴史を振り返るメイキング映像シリーズ『 RoadToKenshin』を配信中!

■僕らは燃え尽きた。お客さんにも燃え尽きてほしい

規格外のロケ地!『The Final』で雪代家の二人が繋がる場所、旧奈良監獄をドローンで空撮した映像も公開中!

村松 
「日本には、まだこんなところが残っていたのか? と、驚くような場所がたくさんありましたね。そして、撮影できる最後のチャンスだったところもあったので、タイミングに感謝しています。『るろうに剣心』の良さは、ちょっとした遊びの感覚があるところだと思っています。たとえば、部屋には見えないような場所も、美術部や装飾部の技術によって、部屋に見えるようになる。だから、ロケ場所を探すときも、制限なくイメージ豊かに見つけることができました。完成した映像を観て、その場所をよくご存知の地元の方々も、探してきた僕らも、びっくり。そういうことも多々ありました。あらためて、すごいチーム。このチームへの信頼があるからこその発想がいくつもありましたよ。」

福島
「ロケ場所だけではなく、あらゆることに対して妥協が嫌いな人たちなんですよね(苦笑)妥協してくれないチームなんです。僕なんか、人生すべて妥協して生きてるような人間ですが(笑)、このチームでは妥協はできない。ただ、妥協しないと、やっぱり楽しいんですよ。そのことが、最終的には画のクオリティにつながっています。各部署のスタッフが妥協しないから、こっちも負けていられない、という気持ちになる。」

村松
「普通ならできないことも、やろうか!と思えますよね。」

福島
「僕はこのチームでずっとやってきているけれど、お互いをいい意味で許し合わない。絶対に、なあなあにならない。少しでも手を抜こうものなら、すぐ見抜かれる(笑)許してくれないチームでもある。」

村松
「ほんと、そうでしたね…(笑)これだけのことをやっているのに、なあなあには絶対ならない。面白い組ですよ。」

福島 
「スタッフ間も、いい意味で、どこかピリピリしている。緊張感が緩まないよね。
美術部がここまでやるなら、装飾部も!衣装部が、オレたちはここまでやるぜ!一方で、制作部は、美術部が唸るようなロケ場所を見つけようとするし。
僕は『何も、そこまでしなくても…」というスタンスなんだけど、ほら、妥協は許してくれないので(笑)
でも、その甲斐あって、『るろうに剣心』最後の作品にふさわしく、我々スタッフはやれることをやり尽くしたつもりでいます。僕らは燃え尽きました。お客さんにも燃え尽きてほしい!」
                          聞き手 相田冬二

シリーズ累計観客動員数1400万人を突破!
日本映画の歴史を変えたエンターテイメントの頂点として君臨するアクション感動大作『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』2部作ともに大ヒット上映中!キャスト&スタッフの『るろうに剣心』シリーズ10年間の集大成を是非劇場の大きなスクリーンでご堪能ください!