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佐藤健さんスペシャルインタビュー!映画『るろうに剣心 最終章』と緋村剣心との10年間をふり返る。

観客動員数1,000万人を超え、日本映画の歴史を変えたエンターテイメントの頂点として君臨する映画『るろうに剣心』シリーズが、感動の完結を迎えます。映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』の公開を記念して、シリーズを通して緋村剣心を演じてきた佐藤健さんのスペシャルインタビューを掲載!初めて剣心を演じた時のことや、スタッフ・キャストとの絆についてなど、10年をふり返ってお話しいただきました。

■『るろうに剣心』シリーズと、『るろうに剣心 最終章』

──遂に『るろうに剣心』シリーズ完結となります。『最終章』のオファーはどのような気持ちで受けたのでしょうか。

最終章は、いつかどこかでやる時がくる、僕も大友監督もそれはずっと思っていたことですが、前作の撮影の過酷さがなかなか消えなくて見て見ぬふりをしてきました。(そして前作から約5年後に)最終章の話をもらって、その時が来たか、ついにその時が来たかと。『るろうに剣心』シリーズとしても、今回のエピソードをやらずして終わることはできないなと思っていました。

──前作の『京都大火編』『伝説の最期編』は、1つの物語を2作で展開、今回の『The Final』と『The Beginning』は、始まりと終わり、さらに異なる時代、それを一気に撮る。前作以上に大変だったのではないですか。

(大変ではあるけれど、それ以上に)ありがたかったですね。原作では『The Final』の物語のなかにおける回想として『The Beginning』がありますが、その回想部分をひとつの映画としてしっかり描けるというのはありがたかったです。やっぱり剣心の過去──なぜ十字傷がついたのか、その秘密についてのエピソードは僕自身もすごく好きなエピソードですし、今までの1,2,3を演じてきた時も、その秘密(=剣心が背負っているもの)を、つねに心に秘めながら演じてきたので、それを大切に描きたかったです。そして『The Final』と『The Beginning』は、全く毛色の違う映画になるだろうと思いましたし、そうしたほうがいいとも思いました。『The Final』はエンタメに振り切る、一方『The Beginning』はドラマに力を注ぐ、というようなイメージはすぐに浮かびましたね。

──この『るろうに剣心』シリーズは、こんなアクションを見せてくれるのかという挑戦の繰り返しだったように思いますが、今回の『最終章』はどんな挑戦があったのでしょうか。

そうですね、アクションシーンは全部が全部違うんですよね。1作目のなかでも色々なアクションがあって、2作目3作目もまた違う。ただ、1、2、3とやってきたノウハウがあるので、どんな動きが綺麗に決まるのか、こういう動きは決まりづらいみたいなデータがたくさんあります。その蓄積のなかから、今回は良いところだけを凝縮したというか、ちょっとでもぬるい動きは極力排除していく、ということをやっていました。ふり返ってみると、1、2、3の時って、わからないからとりあえずやってみようってやってみて、これは上手くいったね、これはあんまり上手くいかなかったね、って探りながらアクションを作っていきました。ですが今回はノウハウもデータもあるので、絶対に上手く決まる動きしか取り入れていない。そういう意味では、間違いなく今までで一番見ごたえのある密度の高いアクションになっていると思います。ぬるいアクションはカットしたほうがいい、という共通認識でやっていました。

──それができるのは、1作目から共に歩んできた人たちとの経験の積み重ねもありますよね。

それは間違いなくあります。アクションを組み立てるにあたっても、特に1作目の時は、分からないから(アクション部に)言われたことを、とりあえずやってみようっていう感じで、やってみて気づくことの連続、そういうレベルでした。けれど今回は、言われてことだけをやるのではなく、ここはこう変えたらどうですかと、意見交換をさせて頂きました。アクションは芝居と一緒(アクションは感情表現)なので、役者が生理的に違うなという動きがあれば修正してくれる。耳を傾けてくれるアクションチームですごく頼もしかったです 。

佐藤健さんのアクショントレーニングの様子はこちらで公開中!👇

■緋村剣心との10年間

──『最終章』を迎えるなかで、最初に剣心を演じたときのことをふり返ったりしたのでしょうか。20代で初めて剣心を演じたときと、『最終章』で剣心を演じたときで、自分自身のなかで何か変化を感じていますか。

1作目の当時、どんなふうに感じていたのかを鮮明に覚えているわけではないので、違いを感じながら演じていたというわけではないですが、ひとつ言えるのは、1作目からほとんど同じスタッフで撮影しているというのは大きかったです。気心の知れた仲間との信頼関係が変わらずそこにあるからこそ、よりリラックスした状態で剣心として撮影に入れた、というのはあります。作品への思い入れや愛着は当時より今の方があると思いますね。

──10年間、剣心を演じてきたなかで、剣心の捉え方はどう変わりましたか。あるいは変わらないのでしょうか。また、『最終章』で改めて剣心を演じて、緋村剣心のどのようなところに魅力を感じていますか。

演じてきて剣心の魅力に気づいたというよりは、自分自身のなかに、緋村剣心というキャラクターは「こうあってほしい」という理想的な像があって、剣心ってこういう人だからここはこうするよな、こういう時はこう言うだろうな、逆にこういうことは絶対に言わないんだろうな、といった形で、演じてみて気づいたというよりは、剣心だったらどう動くのかを常に考えて作り上げていった感じです。もちろん、最初から自分のなかの剣心像が確固たるものとしてあったわけではなかったです。

■キャスト・スタッフとの10年間

──大友監督をはじめとするスタッフの方々に向けて、10年間の想いを言葉にしていただけますか。

まずは、感謝の気持ち、それを一番に伝えたいですね。役者1人の力はちっぽけなものなので、衣装やヘアメイク、美術、照明……それぞれの部署、みんなの力で、初めて剣心という役柄にたどり着けるので。スタッフのみなさんが剣心にしてくれたと思います。そして、その剣心を背負って僕は1作目以降ずっと役者を続けてきた。みなさんがいなかったら今の自分はいないです。ものすごく大変な現場でしたが最後までそれを共有できました。本当に大好きな現場でしたし、一緒に仕事ができたことを嬉しく思います。

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──武井咲さん、青木崇高さん、蒼井優さん……神谷道場のメンバーの方々、共演者の方々への10年間の想いを言葉にしていていただけますか。

剣心としても、役者・佐藤健としても、僕にとって、大切な仲間であり支えてくれた人たちなので、心から感謝の気持ちを伝えたい。仲間と出会うまでは、剣心は孤独で、演じる僕自身も現場で孤独を感じることもありました。──そういったなかで、剣心に初めて帰る場所ができたように、僕自身も神谷道場のみんなと一緒のシーンは大きな支えになりました。待ち時間に楽しく話をしたり、ときには一緒にストイックに、芝居に向き合ったり。

■最後に

──最後に、最終章をより楽しむために、「過去3部作のここを観ておいてほしい」などオススメポイントを教えてください。

過去作をしれっと(さらっと)観て来ていただければ充分です(笑)。『るろうに剣心』は難しい物語ではないので、剣心はこんな人で、剣心の仲間たちや過去に戦ってきたのはこんな人たちなんだって、それをわかっていただければ充分。過去作をしれっと観て、最終章を観に来てください。

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(聞き手/新谷里映)

佐藤健さんが語る『るろうに剣心』シリーズ、そして緋村剣心との10年間。いかがでしたか?

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映画『るろうに剣心 最終章 The Final』は4月23日(金)より大ヒット上映中、『るろうに剣心 最終章 The Beginning』は、6月4日(金)より公開予定!ぜひ皆さまのタイミングで、お楽しみください!