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彼氏との関係を見直したら、私の世界が変わった話【後編】

私達2人とも、親に結論を押し付けられて育った
今でも理由や過程が分からないと、記憶が解離しやすい。
電話で、認識の擦り合わせをした。

彼の人格が切り替わるスイッチは、日によって違う。
交代すると、数秒前の記憶も残らない。

解離はグラデーション。

私も軽度解離持ち。

「多重人格」が世間でよく知られている。

彼の解離を頻繁に起こさせて、つらい。
それが私の失敗体験として、積み重なっている。
彼にそっけないのは、罪悪感が私にあるから。

「ひどい・・・」
我ながら同意見だ。
彼の配慮が台無しである。

「入れ替わっちゃった。
ごめん、何の話だっけ?」
安定感のある人格が、唐突に消えた。
自責や怒りも、解離のきっかけになる。

この時、なぜか私は冷静だった。
「あなたが悪いわけじゃない。トラウマは私の問題。
自分を責めすぎている。それはしないで」
だが、落ち着いていたのは、彼も同じだった。

「…そうか」

私が知らない間に、彼は対処法を習得していた。
パニックを瞬時に止め、
私の言葉や、彼自身の心理状態をメモしていた。

彼がカウンセリングの現状を教えてくれた。
時計が22時半を回っていたので、手短に。

彼の時間は、
就活の時期で
ずっと止まっていた。

「階段を登っても降りても
ずっとそこにいる」

まさにAgust Dの『AMYGDALA』だ。

「就活にも前向きになってる」
と彼は言う。
本人も自覚があるが、焦っている。

彼が先を急ぐのは、私のせいだ。
私以外の人間関係も築いてほしくて、
働くのも大切では、と思案していたから。
私の身勝手な考えが、相手に悪影響を与えていた。

彼が余裕を持って暮らせるのが、
私の一番望むこと。
以前はその説明も、解離に阻まれ、正確にできなかった。

彼の憑き物が落ちる様子が電話越しにわかった。
親の意見を真剣に聞く、子供のようだった。
0時近くなければ、もっと対話できるのに。

彼は以前まで2週に一度だったカウンセリングを、
週1回に増やしていた。

出会った頃とは別人だが、
彼の真心は変わらず好きだ。

彼の努力が実っているのは
元からわかっていた。
それでも、適切な距離を学ぶために、
いずれは行動しないといけなかった。


こうして2週間、自分のやりたいことをするチャンスを手にした。

旅行ガイドを手にしたら、離島に行きたくなった。
海が見えるって、いいな。
ただ、執筆もしたい。
欧風カフェを巡って、ユートピアを探そう。
ホテルの中や、バー併設のカフェにも挑戦しよう。
コーチのイロさんと、仲間のにこばいさんに勇気をもらった。
私の身の回りが、今日から「クロアチア」になった。

クロアチアにも日本食のレストランはある。
私が信じれば、ここはクロアチアなのだ。

やっと会えたね!

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