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自灯明法灯明 Podcast #12 Shannon M Whitakerさん Part 3 of 3

このPodcastでは、私がスティーブン・バチェラーさんのセキュラーな仏教のプログラムで出会った欧米の方々にインタビューをしていきます。先週に引き続き、Shannon M Whitakerさんにお話を伺います。(最終回)

英語+日本語版(逐次通訳)

英語版

Shannon M Whitakerさんは、現在はアメリカの西海岸にいらっしゃいます。海軍の退役後にフランスに留学して哲学を学び、現在は、ご自身がデザインした博士課程で仏法を学びながら、その一環として、Podcastの配信、ブログの発信をされています。Shannonさんはスティーブン・バチェラーさんのプログラム参加者のオンラインコミュニティを発案し、運営事務局として様々な議論を促す役割も担われました。このインタビューのシリーズも、このコミュニティのおかげで成り立っています。

今回のShannonさんのお話から、印象に残ったところを取り上げてみます。

スティーブンさんのプログラムで、オンラインのコミュニティを立ち上げたいという提案をしたのは、初めてのZoom会議でのことでした。すごく緊張しましたが、スティーブンさんは、あんなに地に足のついた方もいないという印象でした。「スティーブンさんをはじめとするBodhi Collegeの先生方をとても大切に思っています。でも、私がもっと興味を持っているのは、その先生方の周りにいる参加者の皆さんです。」と思い切って言いました。スティーブンさんは笑って、私の意図を理解してくれました。それでオンラインのコミュニティができることになったのです。

Zen Mountain Monasteryの僧堂では、週3、4回、リトリートの参加者が、個別に禅の先生にお話できるという機会がありました。異例の頻度だったと思います。そういう機会があるにも関わらず、実際に先生の前に出ると、「何も質問はありません。ここにいられて幸せです。」としか言えずに、残念で嫌な思いをしました。滞在期間の中頃になって気がついて、実際に終わる頃に僧堂の方にお話ししたのは、私は先生を探しているというよりも、同じ立場の人たちとの場、サンガ(僧伽)を探しているということでした。私はあなたのような人や、自分自身から学びたいと思っているのです。

同じ立場の人たちでの学びを、アメリカではCohort Based Learning(直訳:同じような立場の人をベースにした学び)と言っています。もし万が一、私が教えるということがあるならば、このやり方になると思います。目を閉じて静かに座っている人を前にするということはイメージできません。いま、私たちがプログラムを復習しているグループも、スティーブンさんに取りまとめた質問を送るというのではなく、「あなたはどう思う」と安心して言える場所です。実際、数百人という単位の人がいるところで、講師のスティーブンさんに、同意できないですとか、ちょっと違和感がありますとは言えないですよね。そもそも、スティーブンさんはとても丁寧に説明されますし。私はむしろ、一緒に受講している人同士で話すことの方が大切だと思っています。

参考
Bodhi College

Zen Mountain Monastery

参考:スティーブン・バチェラー Stephen Bachelor
イギリスの仏教者、瞑想指導者。初期の経典(パーリ仏典)に遡り、仏法(Dharma)を現代に生かすための再解釈を行なってきた。チベット仏教僧、禅僧としての修行・指導を経て、ヨーロッパを拠点とした瞑想指導を行いながら、1980年代から、欧米におけるセキュラーな仏教(宗教性のない、世俗的な、時代にあった仏教)を牽引している。邦訳に、ダルマの実践(四季社、2002年)、藤田一照訳(原著:1998年 Buddhism without Beliefs - a contemporary guide to awakening -)がある。

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