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自灯明法灯明 podcast #25 Gary Bornさん Part 3

このPodcastでは、私がスティーブン・バチェラーさんのセキュラーな仏教のプログラムで出会った欧米の方々にインタビューをしていきます。今週は、イギリス在住のGary Bornさんの最終回です。

英語+日本語版(逐次通訳)

英語版

Gary Bornさん
イギリス・Gaia HouseのCommunity Dharma Leader’s programmeを修了し、Insight Meditationを約20年間にわたり実践している。現代的なマインドフルネスも教えており、特にがんの患者さんや医療従事者を対象としている。瞑想と仏教の教えについてもここ数年教えており、最も最近ではGaia HouseのOnline Dharma hall、London Insightでも教えている。Bodhi Collegeの理事も務めており、教えとコミュニティグループのプログラムを積極的に支援しながら関わっている。現在は、スティーブン・バチェラー、マルティーヌ・バチェラーのセキュラーな仏法についての一年間のコースにも参加している。
IT業界で30年間のキャリアを積み、プログラムのデザインやコーディングから始め、プロジェクトやプログラムマネジメントに関わってきた。複数のセクターで経験を積み、エキスパートシステム、AI、交通や輸送のマネジメント、品質管理、ナレッジ管理、ソーシャルネットワークでは特に多くのプロジェクトを経験した。グループファシリテーターとしての認定も受けている。既婚、二男の父。

今回のエピソードから、印象に残ったところを取り上げてみます。

マインドフルネスのプログラムは、宗教性を除いているといっても、仏教に裏打ちされているものです。マインドフルネスのプログラムを開発したジョン・カバット・ジン博士は、禅の修行をし、Insight Meditation(上座部の仏教がベース)のマサチューセッツ州のリトリートなどに参加して、着想を得られています。慢性的な痛みや深刻な不安という問題を抱えた方を対象として、仏教や精神的な修養に関心がなくても、取り組めるようなプログラムを開発されました。現在は医療の現場からは引退されていて、マインドフルネスとは、仏教あるいは仏法をもう一つの表現系であると言われています。

マインドフルネスのプロフェッショナルとして、オックスフォード大学の講師向けの講座を長年受講していますが、仏教を学んでいることがとても助けになっています。例えば、マインドフルネスに基づく認知療法のプログラムでは、仏教の言葉は使わないのですが、仏教の徳目(慈愛、慈悲、共に喜ぶこと、均衡を保つこと)に満ちていて、教える側も体現していることが必要だと思います。相補的な関係にあります。

私は72歳です。執着に対処することももちろん大切ですが、老いることによる病気、心身の変化と共に存分に生きるということも、とても大切にしたいと思っています。スティーブン・バチェラーさんは、執着やこうあるべきというこだわりを反応性という言葉で表現しています。反応性に囚われたり、感情的に飲み込まれることなく、創造性を発揮する、存分に生きることができるということを目指すことに、とても共鳴しています。

参考:スティーブン・バチェラー Stephen Bachelor
イギリスの仏教者、瞑想指導者。初期の経典(パーリ仏典)に遡り、仏法(Dharma)を現代に生かすための再解釈を行なってきた。チベット仏教僧、禅僧としての修行・指導を経て、ヨーロッパを拠点とした瞑想指導を行いながら、1980年代から、欧米におけるセキュラーな仏教(宗教性のない、世俗的な、時代にあった仏教)を牽引している。邦訳に、ダルマの実践(四季社、2002年)、藤田一照訳(原著:1998年 Buddhism without Beliefs - a contemporary guide to awakening -)がある。

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