ハロウィンと怖い夢 [SS]
日曜日の朝、真美さんが急に家まで来て、紙袋を置いていった。
「中身は見ないで。お願いよ」
すごく真剣な顔つきだったので、気圧されるように頷いていた。半ば押し付けられる形で渡された紙袋はずっしりと重い。袋の底を手のひらで支えると、少しだけ柔らかな感触が伝わってきた。何だろう。中身を想像しかけたら、遠くから急に真美さんの声がした。
「絶対に見たらダメだからね」
アパートの前の道。もう50メートルぐらい離れているのに、真美さんが振り返って私を見ている。「見ないよ」と大声で返事