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【回顧】エーゲ海クルーズとうたったツアーのエーゲ海クルーズがキャンセルになった。


海外添乗でエーゲ海クルーズとアテネ5日間という感じのギリシャをめぐるツアーに行った。メインは白い建物と青い海青い空のエーゲ海クルーズ。
その青い海と空に大雪が降った。バスは予定どおり迎えに来たのでまさかメインのツアーがキャンセルになるとは思っていなかった。

キャンセルになった。ガイドさんは来れない。地下鉄は止まり、公共バスもタクシーもチェーンがないので走っていない。商店街も全て閉まっていてホテルから見下ろす道路は車どころか人も歩いていない。
どうするか。現地の仲良くなったガイドさんに電話してみる。「今日は別のツアーに振り当てされてるから行けないけどアテネ博物館が開いてるよ。しかも今日は無料だよ。」それだけ情報を頂いた。ホテルから歩いて30分くらいだったと思う。

ロビーにお客様を集めて「今日はクルーズ中止になってしまいましたが、普段と違うことしてみたいと思います。天候による中止なのでクルーズ代も組み込まれていたランチ代も戻りません。」最低限のお金しか会社からは持たされていないので、全員分のランチを払うことが出来なかった。しかも、土曜日とかで会社は連絡とれず判断は私が下す以外なかった。
「今から歩いて雪の中 アテネ博物館に行きます。
歩いて30分以上かかりますが、普段バスの中からしか見えない街を歩きます。
言葉が通じない街角の食堂に入ってなにか分からないメニューからランチを頼みます。
ごめんなさいお金は自腹になります。
エーゲ海クルーズはまた参加出来ますが 歩いてアテネの街の中をお客様と行くのも食堂に入るのも初めてです。私と一緒に外に行ってみたい方いらっしゃいますか?残ってホテルでのんびりしていても良いですよ。」
という私に20代から60代のお客様20人くらいが賛同してくださり雪の中歩いてアテネ博物館に行くことが決定。一組だけお留守番されました。さて出発しようとした瞬間、わたしのお客様の後ろにもう1グループ15人くらい私の話を、聞いていた日本人がいた。添乗員さんが私に近づき「すみません私たちも連れていって下さい。初めてでどうしたらいいか分からなくて」
総勢40人近くの日本人が現地の人影もない街を塊ながら歩き進めた。ランチも分からないのも楽しいらしくワイワイしながら何が来るのか楽しまれていた。


午後 博物館から出ると車も人も少し動き始め、お店もシャッターが開き始めていた。地下鉄も、動いていたのでみんなで乗ってみた。ホテル近くの商店街で解散。自由行動にした。


クレームはなかった。
日本に帰って報告した時は担当者に驚かれた。
同年代のキャリアウーマンに「ちゃんと説明すれば納得できるのに、自分はに部下にちゃんと説明せずにきた。今回はトラブルだったけど普段出来ないことが出来て凄く楽しかった。また参加する。」と言葉で言われた時は凄く嬉しかった。実力以上の力が発揮出来た瞬間でもある。

これは私が海外添乗員として初めて遭遇したトラブルでした。26才の冬。

お写真は無料素材からお借りしました。

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