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あえて学級通信を出さない理由
教員の世界ではとかく「学級通信を出すことの意義」が強調されていて、毎週とか、多い人だと毎日発行する人がいると聞いています。
私もそのようなスタンスにあこがれた時期もあったのですが、最近ではずいぶん考え方が変わりました。
4月から学級担任をするにあたり、学級通信を出したいと思って一応原稿を書いてみたのですが、いろいろ考えた結果、生徒や保護者に配るのはやめています。
・勤務校ではそもそも学級通信を出す文化がなく、私のクラスだけ出すと「他のクラスと足並みをそろえてください」と同じ学年の他の学級担任から文句を言われる
という、教員の世界でよく言われている理由もあるのですが、それより大きいのは
・校長が学校の教育方針を児童生徒や保護者に向けて明確に発信していないのに、1学級のポリシーを前面に出すのは順序としておかしいのではないか
と考えているからです。
学校教育施行規則では
1 教育活動その他の学校運営の状況について、自ら評価を行い、その結果を公表するものとする
2 1の評価を踏まえて、学校の児童生徒や保護者や、その他関係者(教職員は除く)による評価を行い、その結果を公表するよう努める
3 1の評価結果を、設置者に報告するものとする
という条文があると思いますが、勤務校ではやっている形跡が全くありません。
この条文が「義務」ではなく「努力」だとする解釈もあるのかもしれませんが、少なくともすべての公立学校では実施していますよね。
勤務校では1の「自らの評価」および報告自体は、私たち一般の教職員の知らないところで行っているのかもしれませんが、2の「関係者による評価」は全くやっていません。
1の「自らの評価」を可能にするには、年度当初に学校の教育方針や目標を児童生徒や保護者に対して明確に示しておき、年度の終わりに、その目標がどこまで達成できたか、何らかの形で査定する必要があるはずです。
勤務校の校長が、そのような作業を行っている気配は一切ありません。
学校経営の最終責任者が教育方針や目標を児童生徒や保護者に示した上でその達成の度合いを自らすすんでアセスメントしない以上、一教員の私が学級通信で教育方針を打ち出したり授業評価を行うのはあくまで個人の価値観にとどまっているわけで(それも意味はあるのでしょうが)、何だか順序として違うんじゃないかなあ、と思っているのです。
そういうわけで、とりあえず、学級通信を出すのはやめることにしました。
気が変わって学級通信を出すことになったときのために、4月当初からの出来事や自分が考えたことなどを、非公開でnote風に記録しています。
勤務校は少し先になりますが、保護者会とかクラス懇談会が実施されるタイミングで一気に出してもいいかなと思っています。
学級通信についての意義が殊更強調される時期ですが、こんな考え方をする教員もいるということで。
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