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「俺の家の話(第九話)」家族の声が死を回避させる最終回前

まさに「俺の家の話」というタイトルがぴったりの最終回前だった。来週は、プロレスと能の舞台で大団円という感じなのだろうが、ラストの二人長瀬は何を意味するの?そして、西田の命は?遺産は?

ドラマの最後の方というのは、チームワークで勢いつく感じがあったりする。その勢いが強いほど、良いドラマと言えるだろう。そして、今回は西田が死ぬか生きるかで、最後には長瀬がプロレスラーとしての自分の正体を身内に明かす。そう、さまざまな嘘が家族からなくなっていく感じがラスト近い演出。

前回は、西田が老人ホームに入ったところで終わり、どうなることやらと思ったが、結果的には、家に帰ってきてしまい、在宅治療になる。この間、高橋伴明監督「痛くない死に方」でもみた光景が始まる。西田が「人気者で死にたい」という。芸能人、いやスターは、誰もがそう思うのかもしれない。そうあることは、それなりに人生を全うした感じはある。だが、人気者も死に際が格好いいという伝説はあまりない。死とは、決して格好いいものではない。だから、日本人は「切腹」などという儀式を考えたのだろう。

そして、西田の元に長瀬がプロレス仲間が集まってしまい、長州力が注目される。長州力は、死ぬまで人気者なのかもしれない。ただ、一般的に長州力の認知度というのは、どれくらいなものなのだろうか?どうでもいいことだが…。しかし、長州さんの芝居、だんだんこなれてきてますよね。

やってきた、葬儀屋の塚本晋也の社名は「SWEET MEMORIES」。こういうところの砕けた宮藤官九郎センスはとっても好きである。結構、真剣な話の中にそういうものを埋め込むことで、テイストを柔らかくする感じ(まあ、脚本家のテレみたいなものが出ているのだとは思うが…。)

ただ、途中で、永山絢斗が後を継ぐみたいなところは蛇足のようにも見えた。あれを入れるのなら、ムロツヨシが永山に入れ知恵するところも観たかった感じがする。蜘蛛の糸が飛び出してるとかここでも細かすぎるところはある。

兎にも角にも、西田が死にそうな中で、家族が集まって、家族である力を示し、西田を蘇生させ、その西田を継ぐべき長瀬は、プロレスと能の二足の草鞋を年末年始に明確にするということか?ラストの展開は楽しみだ。

あと、残った問題は戸田恵梨香との恋愛問題。先週から続く、戸田と平岩の長瀬に関する話が面白く続く。家庭に「殺気」を持ち込むという普通でない状況を受け入れられない戸田であるが、最後にはどうなるのだろうか?

このドラマ、ここまで観ていて、宮藤ドラマの中でも完成度は高いと思っている。とにかく、介護問題というものに対しての宮藤なりの回答みたいなものがラストで明確に見えてくればほぼ満足の域。

そして、アフターコロナの大きなテーマがこのドラマにあるような家族の復興というところのあるのかな?と最近思う私である。


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