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「マイファミリー(第2話)」非現実な要求の中に犯人の存在が無気質になり、今ひとつサスペンス感がないのは何故?

誘拐事件ドラマという括りかと思ったら、予告で、来週で誘拐事件のケリがつくようなテロップが。ということは、題名通りに、この壊れた家族におこる、さまざまな災難で、家族の空気が変わっていくというような流れなのか?そして、2回目を見る限り、二宮和也の元に起こる災難で、ビジネスも急変化を起こすという流れを見ると、ネット社会と、そのバブルの中にいるものたちへの警鐘的なものも含む流れなのかもしれない。

あと、誘拐事件の中だけで、周囲の人々、協力する人々、すべてにいかがわしさみたいなものを感じたりもする。もちろん、警察も、その周囲の人々を自分の味方につけようと必死なわけで、いわゆる都市部の人間関係が、全く有機的なものではないということを露呈させるドラマとも言える。

そして、犯人側は、デジタル音声だけであり、実際の存在感がない。つまり、5億もの金を奪い取ろうとする必死さみたいなものはそこに見えない。被害者が5億円用意してるのだから、その金が必要に迫られてるなら、もう少し、ヘマをやってしまうのが、こういう犯人の特徴に思えるからだ。

だから、ただの会社の利益誘導のための芝居という予測も簡単にできる。今回は、髙橋メアリージュンも疑われたりしていたが、ここから、彼女が良からぬことを考えるということもあるだろう。とにかく、ITビジネスにおいては、裏切りが大きな利益をもたらすことも多々あるという現代の危うさをうまく表現はしていた。

多分、脚本家は、そういうことも含め、現代に潜む、たまたまバランスが保たれているが、一つ、ハシゴをおろすと、一気に雪崩が起きるようなものを描こうとしているのではないか?この家族は、夫婦の生活のバランス崩壊から、他の人に、知らぬ間にいろんな障害を与えているということもありうるわけで…。

そういう意味では、この警察の介入を抜きにする「誘拐」という事象は、さまざまな、家族のモラルや本質をも試している気がする。そう、彼らと大学の時の同級だという、濱田岳と賀来賢人も、なんか協力的ではあるものの、なんか、今ひとつこの家族との距離感を感じさせるし、元刑事という濱田も、弁護士の賀来も胡散臭い。

ドラマは、ネット配信という、現代の凶器を使いながら、警察を追い出してはいるが、犯人の本意が全くわからない以上、色々リスキーな感じがする。昨今の狂人は、金をもらって、誘拐した子供を殺すくらいやりかねないということを考えていないのか?まあ、犯人にカードを握られているうちは勝ち目はないだろう。

それにしても、最初に警察にこの事件を教えた以上、介入を失くすことができないのは、犯人も知っているはず。警察が諦めるわけもない。だから、今回のラストには、子供の祖父と祖母を連絡係にするわけだ。それも、すぐにバレるのだろうか?結局、誘拐って犯罪が、面倒臭いということがわかり、現代の中でそれが行われるというと、こういう感じになるのか?という点では、ドラマ的にはそれなりに面白くは展開しているが、…。この誘拐事件の結末で、あっと言わせられるかが、ドラマの命運を分ける気はします。

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