見出し画像

「コントが始まる(第2話)」小気味良い脚本は、2021年を代表する青春ドラマを創る

今期のドラマではダントツに面白い。オリジナルでここまで小気味良いドラマを久々に見ている感じがする。第2話は自殺をテーマにした「屋上」というコントを交えての3人の友情譜。

まずは、この3人のチームワークが本当によく見えることがこのドラマの成功の最高の要因であろう。これ以上ないというキャスティングは、彼らが築いてきたキャリアもあって、脚本家が望んでいた以上の有機性を見せているのだと思う。

今日の話は、マクベス結成の時の話であり、そこに仲野大賀の恋話や、神木隆之介の自殺話が絡んでくる。細かい記憶を交えて、3人の今の気持ちのあり方がスムーズに視聴者に入り込んでくる気持ちよさがあるのであろう。

そして、有村架純のマクベスオタクぶりが、狂言回しとしてうまく絡んでくる。しかし、今の世の中、昔のブログを消さない限り、恥ずかしいものが多く発掘される時代なのですよね。そこから高校の記憶の裏付けができるのは面白い。そして、有村も含め、最終的には4人コントみたいな感じもあり、最後にあいみょんの歌う主題歌が、「青春っていいな」と響いてくる。これをずーっと続けていただきたいと思える親しみがたまらない。

そう、そこそこ歳をとった役者が高校生を演じているのは、昔の青春ドラマのようでありである。芳根京子の女子高生ぶりが、まだまだコスプレみたいでないのは、そこに彼女の役者としての強みを感じたりもした。こういうのを見て、今の高校生が熱くなるならそれで良いと思う。(ならないのかもしれないが…。)

今回は、最初から、事務所の社長として、中村倫也が出てきて、仲野の恋人の芳根京子、焼き鳥屋の伊武雅人と、新しいキャラも出てきて、これからの彼らのコントの青春がさらに楽しく、切なくなる予感。まあ、よく配置されております。

個人的には、プロ雀士を目指しているという、明日海りおがどう絡むのかが楽しみである。しかし、明日海さん、宝塚退団後、いろんな役をやらされて、しっかりこなしていますものね。さすがというか、器用さを感じる。印象的な顔立ちだし、これからまだまだ使われそう。

今回のコントは、初回のそれより笑えるものではなかったが、アドリブを入れてそこで「今までありがとう」とリアルな気持ちを入れ込むという、なんか昔の松竹映画の喜劇みたいなシーンが、すっと今に甦っていて、アナクロになっていないのは不思議だった。全ては、この3人の役者が揃ってなせる技であろう。仲野大賀は、こういうおばさんまで演じられるところが魅力だし、緊張した時の、アキレス腱体操みたいなものも、本当に普通に演じ切るよね。

リアルな世の中は、限りなく不穏で、生きている私たちに優しくない状況が続いているが、こういう楽しく、切なく悩む青春ができる時代が早く戻ってきて欲しいものであります。せちがない時代の浄化剤として、このドラマは2021年の今存在しているのでしょうね。次回がさらに楽しみ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?