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「#リモラブ ~普通の恋は邪道~」コロナ禍を舞台に描くラブコメ。10年後に見たら面白いだろうな。

先週から始まったこのドラマ。「スカーレット」の水橋文美江脚本というのは、安心して見ていられる。そして、連続ドラマとして初めてコロナ禍のみんながマスクをしているドラマである。どこが最初に仕掛けてくるか?とは思っていたが、この歴史的な世界を残すためにはとても大切なことだ。多分、10年後には笑って見られるだろうし、50年後には社会的な資料にされるかもしれない。

企画から、そこをどう描くか?というところだったのだろう。シリアスなドラマでなくコメディに持って行ったのは、よく考えれば、ここ半年以上続くこの状況がコメディにしか見えないからだろう。だいたい、原因も形もよくわからないものに振り回され、みんな、「本当かよ?」というのが本質的な心情だからだろう。それでいて、それに従わないものには、「なんて下品な奴だ」と思ってしまうような今のみんなの気持ちだ。

そういう中を描くのに、主人公を産業医にしたのはなかなかお見事。そして、基本的に、男を料理に見立てるような、恋愛できない体質なのに、送られてきたLINEの中の人に恋をしてしまう。このコロナ禍の中で、変な恋愛も増えているだろう。時代を反映した脚本と言える。

主人公の波瑠は、見事なコメディアンヌぶりである。昨今の女優で美人なのにここまで崩した演技を可能にする人も珍しい。その分、庶民に近づいている感じ。このままどこまでぶっ飛ばすか、すごく楽しみである。

その周囲の男たちも、そこにうまく乗ってきている。及川光博、松下洸平、間宮祥太朗の3人のやりとりもなかなか面白い。みんな、どうコメディを盛り上げていくか楽しんでいる感じ。そんな中で、江口のりこがどちらかというと、シリアスな役なのがまた面白かったりもする。

話は、1回目から、LINEの中の檸檬さんを巡って、波瑠の心がざわめき出し、先週の1回目では、それが社内の人だとわかる結末。そして、それを突き止めるべく、尿酸値の数値で特別検診を行う馬鹿馬鹿しいくだりには笑ってしまった。その結果、目指す人がわかったかと思いきや、別シーンで真犯人がラスト近くでわかるという展開。だからこそ、2回目のラストの波瑠が面白すぎる。

2回目にして、結構な飛ばし方をしている脚本。ちょっと間違えれば、コントになるところを、流石の水橋脚本はギリギリで抑えている。それを役者たちが楽しみすぎている部分、予想以上にはみ出し気味の感もする。

あと、川栄李奈がすごく綺麗になっているのにびっくりしたり、福地桃子は今までのマイペースな演技だったりするが、彼女たちもどうこの勘違いドラマの流れに巻き込まれていくかが楽しみではある。

そして、これも恋物語である以上、今年のクリスマスがエンディングなのでしょうな?コロナ禍の忘年会のやり方とかも気になるところ。ニューノーマルに対する初めて果敢に挑戦しているドラマ、展開が楽しみではあります。

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