「アイのない恋人たち(第5話)」恋の仕方もわからない大人は幸せの形も見えないということ?
先週は、うまくキスできなかったり、うまくSEXに至らなかったり、ウブなアラサーの姿を見せつけた3組。今回は、ただ一組、身体の関係はあり、男の家で同棲まで至ってる前田公輝と深川麻衣の結婚を他の4人も手伝って進める話。
そして、結果的には、結婚式当日に相手と一緒に暮らしていく自信がないと、二人とも結婚式場から抜け出してキャンセル。嫌な空気しかない中で、男たちは、女たちの強い言葉に慄いたのか、全てのカップルが別れてしまうという展開。というか、「好き」という言葉以外、近づいていく空気感はなかったから、当たり前というところ。しかし、ドラマ中盤で全てのドラマがリセットされる。脚本家は、この話をどこに持っていこうとしているのか?タイトルの「アイがない恋人たち」のままで、ラストに突っ込んでいくのは簡単ではあるが、今の時代のリアル?な恋物語に何か新しい感覚を見せて欲しい気はする。
そして、前田と深川のなんか、ママごと的な結婚展開は確かに不自然ではあった。そして、前田の家と深川の家の考え方の違いも一緒に暮らす中でわかってきて、金銭感覚の違いもわかってくる。しかし、大きなエビが並ぶ夕食を見たところで、もう少し喧嘩になりそうだとは思うが、ドラマ的には二人の心の齟齬みたいなものを見せないままに、結婚式に突っ込んじゃうのですよね。これが、乱暴だから、見ている方はそこで結婚できないという二人に唖然とする。そして、この二人、身体の関係があるにも関わらず、三組の中でそんなことを一番感じさせないような雰囲気に見えるのは何故なのだろうか?この辺りも脚本家の匙加減が今ひとつわからない。
まあ、深川の母親の岡まゆみが「そらご覧なさい」という言葉がぴったりハマってしまったらドラマにはならなくない?というか、岡まゆみが昔の佐々木すみ江にすごく似てきてるのが気になった。クソババァ役で食っていけますよね彼女。
そう、親といえば、福士蒼汰の母親役が高橋ひとみ。相変わらず、雰囲気は昔のままだし、こういう役がぴったりではある。そう、色々過去を抱えてる女ね。そして、元旦那も息子に「金出してやれ」とかいう、とんでもない親が福士の愛のない心を作ったというのはわかりやすい。そういう男女のもとで育ったために、岡崎が真っ直ぐに「好きだ」と言っても、「何言ってんだ」という形になる。そして、他の女でうさを晴らそうとする福士。
そして、成海は結婚式の後始末の場で本郷奏多が童貞だという告白をしようとすると、それを深川に聞いていたため、「気にしてない」で済ませようとする。どう対応すればいいかがわかっていたわけではないだろうが、無性に本郷が頭に来た気持ちはわかる。
ある意味、三組とも、女たちの心が重すぎて、男たちが受け止められない感じの終わり方。そして、携帯を投げつける女たちのシーンで終わるが、こういう女たちの表現は明らかに昔はありえなかったものだ。そういう昔とは違う恋愛のすれ違いみたいなものを描こうとしてるのはわかるが、それでは、ドラマが面白くない。金持ちに縋って本心が言えない佐々木希にも、希望がなさすぎる。
後半戦、このどうでもいいパッションの弱い3組+1人を脚本家はどう料理していくのだろう。それなりに美しいラストが見たいと思うのだが・・。
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