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「イチケイのカラス」この軽さは竹野内豊の新規軸になるのか?

今日が二回目。一回めと続けての視聴になる。1回目は、優秀な判事として黒木華が東京地方裁判所のイチケイにやってくるところから始まる。そこに存在した場所は黒木が認識する裁判官たちとは全く違う姿の竹野内豊がいて、チーム全員が、「彼は仕方ない」と思っている不可思議な環境。そして、彼の行う裁判には、何が起こるか楽しみにしているファンまで存在し、ネットにその活躍ぶりが流されているという設定。浅見理都の漫画が原作。コミカルタッチなのは原作あるゆえであろう。なかなかオリジナルではここまで作り込めない感じ。

結果的には、裁判官が事件の操作に踏み込む話なのだ。ドラマ全体は「HERO」の裁判官編というところ。小日向さんも出ているので、なんかクロスオーバーしてしまう。竹野内豊の役を木村拓哉がやっても大丈夫な気もするが、ここは竹野内豊がどこまでコメディできるかが見どころか?初回は議員に対する傷害事件の裁判で、その事件が起こる前の人身事故が明確でないということで捜査やり直しをする話。結局は傷害に至るまでに、議員の買収が行われていて、傷害事件の犯人にも執行猶予がつく形に。話は明快であり、裁判官のイメージはよくなる方向のドラマだと思った。こんな裁判官ばかりだったら、冤罪は減るだろうとも思う。

そして二話。前田敦子扮する母親の幼児虐待事件をめぐって不信を感じて、虐待が起きた三日前まで遡って捜査する話。結果は二回目にして、裁判官自身が医師に圧力をかけていたという話になる。かなり過激な流れだが、最後に裁判官が、無罪になった前田に謝るところを強調し、このドラマの大きなテーマを視聴者に叩きつける感じ。昨今は、さまざまに公の仕事が圧力によって改竄されたり疑うことが多い時代。こういうドラマが世の中をも動かせばと思ったりもする。

そして、ドラマとして2回を観て思ったこととして、動かされる全てのキャラがしっかり描かれていることである。今回は、最初と最後にイチケイと検事チームの草野球シーンが入るが、それに即してかはわからないが、彼らの裁判でのチームワークみたいなものが存分に描かれている。だから、事務方の桜井ユキ(私はこの女優さんとても印象的で好きです)や水谷果穂に至るまで、しっかり仕事をするところを見せている。そして、空港に犯人である医師を追いかけるところも、検事の山崎育三郎まで巻き込んでのチェイスシーン。なかなか観ている方もチームの一員になるような演出。心地よかった。

そのシーン駆ける姿でも、黒木華は男前である。イチケイの赤字を解消するためにやってきた彼女のキャラは強烈なだけに、竹野内豊の正義感に感化されやすくもある。裁判とは?裁判官とはなんぞや?というところを、彼女自身に語らせていくのもいいと思う。彼女なしにはこのドラマは成立しない。

そして、黒木のロッカーの中に竹野内がくさやを入れる話とか、筋とは関係ない話で盛り上げる感じも嫌いではない。二話が終わったところで作品のテイストは決まったという感じで、黒木華をイチケイに配置した草刈民代と竹野内の因果関係も示された。しかし、草刈さんはこういうクールビューティーは似合いますね。

裁判官が主役という新しさは、思いのほか面白い感じである。チームそれぞれの主役回もあるのだろうから、その辺も含めて楽しめる作品にはなっている。次週を早く観たい感じ。

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