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「女神(テミス)の教室〜リーガル青春白書(第9話)」被害者の気持ちに寄り添うことと、客観性の必要性

司法試験が終わり、ドラマは今度は期末試験のために動き出してるわけだが、今回のドラマは、刑事の尾上松也が定職処分になった話。彼が過去に担当した事件で、女子高生が塾講師に猥褻行為をされ自殺した事件を忘れられなかった。そして、無実になった加害者の男を今も追いかけている。そして、尾上の妹も、同じようなことがあり、今も精神的に病んだままだというのだ。ここで、多分、卑劣な事件が被害者の自殺によって揉み消された感じが気持ち悪いということだ。

彼を心配して、この話を聞いた聞いた北川や生徒たちは、判決が出ていても、納得できないことが多いことに不満を漏らす。そして、尾上は停職されたのを利用して不審な今も講師を続けている男を追い続ける。

また、この間、北川に嫌がらせをした男(安井順平)に尾上が噛みつくように発言していたのも気になるところ。そんな中、山田裕貴が、安井が自殺したといいうことが信じられずに、尾上との関係を探り出す。ここで、いままでそんな行動的でなかった山田が突然そんなことをしだすのは、少し不自然な感じはするが、北川の無意味と思える行動に少し感化されたという流れなのだろう。その本質は少しわかりにくい。

そんな中、北川はその事件に憤る生徒たちの実習にこの事件を使う。皆の意見は、「これはおかしい」という流れ。そんな時、自殺した少女の母親が、加害者を誹謗中傷したことで警察に捕まってしまう。北川は生徒を連れて、釈放された母親が弁護士(佐藤仁美)と話す場に立ち会うことにする。あくまでも、「無罪」などありえないという母親に生徒たちは同調するが、なかなか難しい問題だ。

裁判で判決が出たものをひっくり返すのはとても難しい。ましてや被害者が亡くなっているわけで、・・。生徒たちはこの現実に向き合っていくのに心が挫けそうになる。北川は「被害者学」というのを学び出す。まあ、司法試験を受かっても、そして、司法職についても、その後の現実で学ぶことはそれ以上に難しいことが多いという話なのだが、最後にこういう司法の混沌とした部分をドラマに入れてくるのはなかなか攻撃的な脚本である。

そんな中、山田は安井順平の自殺に関して、尾上が何か関与しているのではないかと疑り、塾講師を追いかけてる尾上を追う。そして、揉め合ううちに刺されてしまうという今回の最後。この尾上の話がいろんなことが絡み合っていてわかりにくいのだが、司法のできる限界、そして。司法は人の生活を本当に救えるのか?みたいなものがドラマの中で見えてくれば、面白くなると感じたりはする。そして、山田裕貴が最後にどんな感情の変化を起こすかも興味があるところ。

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