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「推しの王子様(第11話)」着地点は、こちらが思っているところに。ドラマ全体の構成の悪さが辛すぎましたね

なかなか、最後のキスシーンは美しかった。まあ、年上女が王子様をからかっている感じを残しての愛の告白。こういう着地点は最初から多くの人が考えていたのではないか?そして、会社も元の鞘に戻るというこれも当然の結末。だから、ラスト前の2、3回はいらないという感じであったとしか言いようがない。

とにかく、世の中の常識を知らないが、デザインセンスはそれなりにある若者が、最終回で、やっとまともな恋愛対象になることが大事なのだと思う。それに合わせて、会社も売られて失敗する。その辺の企画自体はいいのだが、大会社の描き方が馬鹿すぎるのがとても辛かった。まあ、そんな会社の社長を船越英一郎にするセンスはいいのだけれどもね。

このドラマ、渡邊圭祐という役者が、結構、期待できると思っていたのでみていたのだが、その彼の芝居の底深さを使えなかったのも悲しいところ。まあ、だめ男とできる男を演技できるのだから、その間の成長過程をちゃんと芝居を使って描いてほしかったのだ。この辺は、プロデュース陣と演出陣が、今ひとつ渡邊に興味がないとしか思えなかった。

傍の役者たちはそれなりにちゃんとしているのだから、その中で、渡邊の成長ぶりが徐々に視聴者に理解できるようにしていかないと、このドラマは盛り上がらない。先の回でも書いたが、成長させるのが早すぎるのだ。最後にスムーズとスムージーを取り違えるセリフがあったが、最後の最後にそれをいれても遅すぎる感じ。

白石聖が泣いて渡邊にお別れを言うのも、どうも今ひとつしっくりこなかった。白石の比嘉に対する嫉妬的なものが見えにくいからだ。そう、全体的に、そういう負の感情を全く描いていないのは、こういうドラマとしては面白みにかける。まあ、書いていいる方が優しい方なのか?

会社の買収話のところも、もっとTBSの日曜劇場ばりに憎々しげにもっと描けば、それはそれで盛り上がるし、その仕打ちで比嘉がゲームをできなくなるというのならもっとわかりやすかった気はする。

あと、比嘉がネットの投稿して、話はまとまりだすのだが、ここに至る比嘉の感情がもう一つわかりにくい。まあ、ここに至るまでに、あまり伏線もはっていないので、なんか唐突?と思われるところがいけないのであろう。

兎にも角にも、昨今、最初から構成間違ってるんじゃないの?という連続ドラマがワンクールの中に2,3本あり、そのうちの一本に付き合ってしまっている私がいるわけである。まあ、駒として使われる役者の皆さんも大変ですねというところ。

渡邊圭祐は、もっと抑揚のある影のある役を与えれば、色々引き出しが広がるというか、役者として大きくなる可能性があると思う。意外に、「孤狼の血」のようなヤクザ映画などに出すと光ったりすると思ったりもする。王子様役では、なかなか光らないということでしょうね。

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