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「テッパチ!(第3話)」熱い友情みたいなものがリアルに描ける場所が自衛隊なのか?

こういう単純な青春ストーリーに対しては、昔から何も言わず感動するというか、好きである。リアルな社会にそれを求めているわけではないが、隠れている私のDNAみたいなものが騒ぐ感じはなんなのだろうか?最初にも書いたが、このドラマは自衛隊という中での青春ドラマだ。そして、昨今は、普通の学園ものでは青春が描けないということもある。前クールのこの時間にやっていた「ナンバMG5」も今はほとんど亡くなったヤンキーの世界という特異世界を作ることで、青春ドラマを作り得たといえる。そういう、青春ドラマを作るのに、リアルな場がどこかにあるか?と考えたら自衛隊という答えは間違っていない気はする。皆が、本当のそこを知らないというところも大きいし、統率を取るには、友情が必要と考えれば、なかなか臭い芝居も可能になるわけだ。

先週、人殺しだと噂された、一ノ瀬楓が今回の主人公。彼は小さい時からDVにあって、親を殺しそうになったという過去をもつ。そんな彼の過去を知って、なんとか仲間として彼を助けようとする町田啓太。そう、こういう流れが普通に展開できることがなかなかすごい。昔の学園ものは皆そうだった。クラスのひねくれた奴を誰かが気にしてやって、みんなの仲間に入れてやるみたいな。小学校の道徳の番組も皆そうでしたよね。でも、最近はこういうのが正攻法には描けない。そして、描こうとすると、裏にあるいじめみたいなものまで描かなければいかないし、どうもしっくりこない。

そう、今回の、皆で彼をわざと一定時間、いじめ抜いて、反応しなければOKみたいなこと、実際の学園では描くとこんなに爽やかにはできないだろう。教師もそんなところを見て見ぬふりができるはずもない。自衛隊だからありってしてしまうこのドラマの特性は、結構、気持ちいい。まあ、最後にみんなで仲良くなって誕生日を祝うというのは、ちょっと爽やかすぎる感じがしましたけどね…。

そして、教官の北村一輝が、元いた部隊に帰るために彼らを育ててるっていうのは、なかなか面白い設定。これって、「トップガンマーヴェリック」にヒントをえてるとこもある感じがしますよね。あちらは、結果的には教官が先導して戦いに行くのですからね。まあ、北村一輝も、久しぶりに格好いいです。

それを思うと、ただ一人の女教官である、白石麻衣の描き方がいまいち中途半端。皆の恋心とは別に、町田啓太は彼女に気があるのだろうが、その辺りの関係をもう少し、スリリングにというか、うまく描いて欲しい気はする。

そして、来週の主役は時任勇気。もう一つ、お父さんみたいな個性はないが、友情物語、期待しております。

まあ、その友情物語についていけない人はこの辺りで脱落してるでしょうね。

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