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「アンチヒーロー(第7話)」現実にこういう事が起こったら国はもっと揺らぐのでは?

簡単に判事の神野美鈴は、長谷川博己の企みに引っかかって、判事の職を追われることになってしまった。それ相応の証拠が色々揃えば、検事正の野村萬斎も庇ってはくれない。

しかし、彼女を失脚させるのに政治家のライバル関係というか、仲の悪いところ、つまりそこを感情的に操作して、神野の悪巧みを公にするとは、確かにできそうな気もする。そして、こういう話が日本の中で本当に起こっているのではないか?と視聴者が疑う感じになるのが、このドラマの面白さだ。そして、神野の表の顔と裏の顔を見事に使い分けるような技は、裁判官という職業柄できることなのかもしれない。裁判官って、最後には自分が主役とってるわけで、役者としても国民から愛されるような顔の作り方はよく知っているのでしょうな。そういう危うい部分を神野はなかなかうまく演じていた。

しかし、このことによって、今まで冤罪だと言っていた事件がみな、被告の無罪でカタがついていくのは、本当にこれが現実だったら、日本の司法はどう非難されるのだろうか?「そんなの興味ない」では済まされない状況が起こるが、そんな状況にならないとわからない国民ではありますよね。そして、本当にこういう事象が起きれば「最高裁判事の国民審査」はもう少し話題にもなるだろう。

というか、ここまで自分の知恵で司法ゲームをひっくり返す長谷川博己、格好いいですよね。人の感情をうまく使って人と人を結びつけ、今回でいえば一人の政治家(山崎銀之丞)を徹底的に怒らせる。まあ、人間というのは、感情的になった時に思いもよらない人生の転換を迎えてしまったりするのだ・・。物事は、冷静に当たらないとね・・。

そして、北村匠海が冤罪だと訴えた事件も解決した。そして、ドラマは残る死刑囚、緒方直人の事件に遡ることになる。ここでは、どんな司法の無理強いで彼が死刑にまで至ったのかは、じっくり語ってほしいところ。で、そのために、長谷川に動かされていると思われる岩田剛典。彼が無罪になったことだけは、このドラマで異質であり、その代わりに岩田は長谷川の言う通りに動いていると言うのが北村の見方だが、私的にはもっと深い理由が何かあるような気がする。

北村が彼の返り血がついたジャンバーを回収していたのは意外だったが、その血も本当に彼の血?というレベルに視聴者の目は戻っていますよね。この辺り、初回からずっと見ていないと面白くないところなのですが、連続ドラマの構造として、こう言うのはすごく面白い。なかなか、このドラマの脚本、多人数で煮詰めているのがよくわかる。そして、結構、今の日本国に喧嘩売っている感じは、「VIVANT」以上のものがありますよね。今期のドラマの中では、間違いなく一番面白いです。

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