見出し画像

「女神(テミス)の教室〜リーガル青春白書(第4話)」和解という判断から、生徒たちの司法に対する心の変化が起きる?

考えれば、ここで行われる授業で取り扱われる事案はいたって地味である。刑事ドラマなどではあまり取り扱わない事案が多いと思われる。それは、ロースクールが舞台ということもあるが、そこで司法の役目みたいなものを簡易に見せたいということもあるだろう。殺人とか暴行とかの刑事裁判は身近には感じないが、今回のような仕事上の不始末と、生活がかかっている庶民の民事裁判の話は、いつ自分に降りかかってもおかしくないという雰囲気はある。

ここでは、北川景子扮する先生が、司法を目指すものたちに、その裁判に関わったときに、どこまで当事者のことを考えて裁判に備えられるか?というところを教えたいわけである。そして、それは山田裕貴がただ、司法試験に受かる人を育てるというところと乖離する部分が、ドラマの中でどうひとつになっていくか?というところが見どころだったりもする。だから、今回、北川景子は山田が作った問題を自分で解いてみて、彼の教師としての力も認めているし、それをみていた及川光博が「二人はいいコンビだと思っている」という。確かに、彼らが真正面からぶつかり合っているのは確かで、嫌いなら完全に無視すればいい話である。そして、及川が「自分には夢がある」という言い方をしたが、そこがこのドラマの着地点なら、結構楽しみにも思える。

話は飛ぶが、北川景子、今週「どうする家康」にお市の方で出演していたが、役者として堂々とした態度で戦国武将を演じていたのが印象的だった。ここでの役も、迷いがない感じに演じているのが良い。山田も大河に出ているが、どちらもこれから楽しみな役者さんだとは思う。

そして、今回の実習事例は模擬裁判で対決という形が取られる。先週、この実習から南沙良が抜けたので、出演シーンが少なかったのは残念だったが、今回は高橋文哉の家庭や環境を見せて、ここで再度、弁護士になる夢を見直す回だったのですね。そんな話と、ただ、加害者と被害者の対決というシーンを和解と言う形にまとめる判断をうまくシンクロさせた脚本であった。高橋が、どうやっても解決しないような問題を、ただ敵対意識の中で議論してもお互い疲労するだけだと言う判断ができたことが大きかったと言うことだろう。ここから、彼は他の生徒たちと少し近づき、北川が求める司法を司る人に一歩進んだと言うことなのだと思う。次週から、高橋がどういう態度になっていくのかは楽しみだ。

そして、残されたヒロインが南沙良。北川がくれたお団子も受け取らずに帰った今回のラスト。彼女がどうやって北川の方を振り向くか?中盤の見どころになるのでしょうか?

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?