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「となりのナースエイド(第9話)」姉を殺した男の話と人を救う医療との葛藤

古田新太、「ふてほど」では酸素を背をって登場。そして、ここでは「シムネス」にかかってしまってるという役所。確かに彼をアップにした画があまり健康そうには見えない。少し、「大丈夫か?」と思ったりもする。とはいえ、まだドラマを掛け持ちするくらいの体力はあるのだろう。長生きしてくださいね。

そして、ラスト、彼が川栄李奈の姉、成海璃子を殺したと吐露する。確かに「どうせシムネスで死ぬのだから」という悪魔の声に従ったということだ。そして、それは自分の研究は川栄の父の論文のパクリであり、「オームス」はそこから発展したものということが確実視することになった瞬間。川栄は、ここから心的に立ち直れるか?というのが最終回のテーマだろう。

しかし、このドラマ、前回の子供の手術の話を最初に簡単に、養護施設の院長の許可が降りたので、問題なかったとするのは、随分と短絡的な描き方だなと思ったりした。この子供の話はあくまでも、高杉真宙の生い立ちを説明したいがためのものだったようだ。だから、娘の親は出てきても、元気になった娘は出てこないという展開。そして、その母親の怒鳴る姿を小手伸也が動画に撮ってるというシーンだけを強調するのは、やはり変なドラマだ。

そして、そんなことで川栄が忘れていた、上杉柊平に頼まれていた論文の解読を行う。それは、父親の死ぬ前のもので、そこに書かれていたのは「火神細胞」と呼ばれるものと同じ話。つまり、そこから、先に書いた、姉の死因の話がつながってくる。

で、その真相を知るために、川栄は「オームス」を使う適性検査を受ける。それを受ける前に川栄に「富士急のお化け屋敷に入る前くらい怖い」と言わせる緩い脚本が、やはりもう一つついていけないが、まあ、そういうドラマなのだ。そして、川栄は、誰もできなかった1時間超えの、ミッションに成功するのだ。これは、ラストに彼女が古田を助けるような結末を想像させるがどうなるのだろうか?そう、父の論文を盗み、姉を殺した男を助けられるか?という最終回への流れはうまく作られていた。

そして、ナースエイド仲間にも、自分が外科医であることを告白。まあ、ドラマ的にはスッキリしてきたが、川栄がナースエイドという仕事にやりがいを感じてきてることが重要で、ある意味、医師、看護師、ナースエイドと、病院はそれぞれのプロがいてこそ成立するという視点からドラマが描かれてる感じは好感はもてる。

そんな感じで、話はまとまっていけているのだが、周囲が噂する、高杉と川栄の恋仲事情が、しっかり描かれなくなってるのは少しストレスも感じてしまうのは、このドラマが、そういう視点から始まっているからだろう。つまり、初めから書いているが、テイストの一貫性がないことで、結構興味深いドラマを台無しにした感じは拭えないということだ。

とはいえ、川栄李奈の演技がなかなか骨太になってきてて、見ている側が彼女を抱きしめたい感じになってきてるのは、このドラマの収穫ではある。

最終回にまだ小手伸也が厄介を起こすような流れは困ったものだが、まあ、楽しみにしましょう。


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