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「たとえあなたを忘れても(第2話)」シャボン玉みたいな幸せという儚さ

「空には今日と明日しかない」という岡田結実の言葉が心に残る。そういう人を愛したということが何を堀田真由に気づかせ、彼女はどんな未来に導かれるのか?ということがすごく気になる。

しかし、流れる劇伴の刹那さに、ドラマが強く動いていくわけではないのに、すごく心がザワザワする。堀田真由にも萩原利久にも、幸せになって欲しいと思わせる触感がたまらないドラマではある。そう、ここまでで、2回の出会いを繰り返しをしただけで、何も前に進んでないのに、ね。

今回は、萩原がまた記憶を無くして、警察に保護されているところから。そして、堀田が岡田に「萩原はこれで記憶を無くしたのは4回目だ」と教えられる。事故で脳を損傷したのが最初というが、大学も入れたし、会社にも入れたという。それで、勤めてる中で記憶を再度喪失し、そのまま、今の生活になったのだろう。だから、会社の同僚だった人が彼を見つけても覚えていない。そんな場を岡田が振り払うシーンが哀しい。

しかし、実際にこんなことがあるのか?脚本家はそれなりに取材してこういう病気を知ったのだろう。その詳細は、今後、風間俊介が調べて語るのだろう。こういう役に風間はぴったりである。

そして、今回は、堀田の母の加藤貴子と、萩原の母の壇れいが出てきた。それぞれに、我が子を見守ってるように見えるが、彼女たちが、二人が寄り添う中にどう入ってくるのか?よく見えないが、繊細な話の中で親は地雷的にも見える。

あと、堀田の勤め出したモバイルショップがなかなかのブラックさ。老人を食い物にするこういうショップはまだ存在するのか?関西圏だからではないだろうが、見ていてきついですよね。これで、堀田の心優しさを表したいところがあるのだろうが、上司の松井玲奈の高圧な態度はまだ続くのだろうね。恋の柔らかさとのコントラストを描くための道具だろうが、もう一つこの場所が必要な意味はわからないですな。

そして、今回のメインドラマは、前回最初のデートをしたピアノがある廃墟での再会。初対面のような会話から、前に萩原がメモした堀田の名前が出てくるまで、デジャヴーのようであって、違う第二幕が始まる瞬間は、やはり、キュンときてしまった。

で、次にデートに誘われた先は、前回、待ち合わせしていけなかった先。そこで、堀田は待ち合わせは嫌だと言う。確かにそこまでもデジャヴーな状況になるかもしれない予感がするのもわかる。そして、無事、ドライブできてエンディング。

再会できても、いつ、彼の記憶が飛ぶかわからないという不安の中での恋愛。それはシャボン玉のようと表現される。堀田は何を思い彼と歩くのか?そして彼のためにどう生きようとするのか?そのあたりが見えてこないが、ドラマの空気だけはしっかりとできてきた感じである。ちょっとラストは、思いっきり泣かされそうな気もするが、だからこそ、気になるドラマとして存在していますね。

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