「女神(テミス)の教室〜リーガル青春白書(第10話)」非効率でも人に寄り添える法律家になるということ
先週は、尾上松也に山田裕貴が刺されたところで終わる。刑事である尾上が司法でしっかり裁かれなかった者を、殺人しようとしたわけだが、捕まった尾上はなかなか自白しなかった。そこで、期末試験を控えた北川の生徒たちは何かできないかと調査を始める。そして、性的被害にあった女の子を見つけ、それとともに尾上のことをなんとかしようとする。
勾留中の尾上に対し、このドラマのように、裁判官の北川と生徒たちが面会して話をすることが可能かどうかは知らないが、逆にこういう方が尾上の本音は聞き出しやすい感じはした。そして、彼は塾講師を殺そうとしたこと、また、前々回、自殺したとされた安井順平を殺したことも自白する。あくまでも、彼は司法でしっかり裁かれないような人間に対し恨みを持つということだったのだろう。だが、司法を勉強していた安井を殺したことは、私には分かりにくかった。ただ、このことにより、山田裕貴が動いたのは事実であり、彼が刺されたことで事件がそれ以上広がらなかったということも確かだ。しかし、この話は、司法ドラマではない。刑事ドラマ的なものを入れて、最後は司法を語りたかったということなのだろうが、この流れに今ひとつ私はピンとこなかった。
ただ、このことがあって、山田は最後の授業で、「いい法律家になれ」と司法試験の向こうにある、彼らの人生にエールを送る。つまり、今回までで、及川光博が考えていた、山田と北川がコラボレーションすることで、生徒たちの認識が変わるということは、ほぼ完結したということだろう。そのことをわかりやすくするための尾上の事件だったと考えればいいと言うことだと思う。
そして、最後に北川に最高に反発していた南沙良が北川に「非効率でも、人に寄り添える法律家になりたい」と北川のような裁判官を目指すことを宣言。つまり、南のような優等生も、北川のような先生がいれば未来への想いが変わってくるということか?
北川は最後の授業で言う「人がいて、人の為に法律はある」と。この言葉は、当たり前のような言葉だが、なかなか重みはある。なんせ、法律を作っているのは立法である国会だからだ。本当にそれができているのか、我々は法律家でなくても、そこに興味を持つべきなのだ。昨今は裁判員制度なるものもある。我々は一般人であってもそれなりに法律の常識は知っておくべきだろう。そう言う意味では、なかなか勉強になったドラマと言って良い。
今回が最終回かと思って見ていたので、次週にエピローグ的なものが残っていたのには驚いたが、確かに彼らが司法試験に受かるところは見たい気がする、蛇足にはならないことを期待します。
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