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「アンチヒーロー(第8話)」証拠が消されて振り出しに戻った先にある光は何か?

野村萬斎が、緒方直人の冤罪の証拠になるデータを長谷川博己より先に手に入れて、見終わると、そのデータの入ったHDDを足で蹴飛ばし、踏み潰すシーン、なかなか彼の心根がよくわかるシーンだ。これを見て、小渕優子がパソコンをドリルで壊すシーンもこういう顔だったのかな?と思ったりしました。これで、もう証拠はなくなったと言うことか?ドラマとしては、その違う方向から、この冤罪の話が世に出ると言うことなのでしょうね。どう追い詰めるのか、全くわからなくすることで、ドラマのクライマックスは盛り上がると言うこと。

今回の最初は、岩田剛典をなぜ、長谷川が無罪にして外に出したかという謎が解ける。先に書いたデータは岩田が闇バイトで撮ったもので、そのバックアップデータを探し出すために岩田が必要だったと言うこと。最後には岩田は自首するというが、どう言う展開になるのだろうか?しかし、証拠を得るために殺人犯を外に出すとは、強引なやり方。

そして、緒方に事件の犯人は自分だと言わせたのは、検事であった長谷川だったと言うこともわかる。そして、緒方の娘の近藤華にその事実を告げ、彼への面会に彼女をつき合わせる。ある意味、ベタな再会シーンだが、消された時間みたいなものが全てそのシーンに現れるような様はなかなかの演出。そして、近藤華、良い演技をしていた。彼女を見るのは、昨年の「ばらかもん」以来だが、これから、まだまだ女優として伸びて行きそうな印象だ。

で、その証拠を持っていた闇バイトのオーナーというか、臭い男が、迫田孝也。日曜劇場では、いつもこんな役な気がするが、そういう役には適任というか、ちょい悪で、脅すとすぐに口を開くみたいな感じの役にはピッタリですよね。しかし、その迫田に検察が先に行き着いたということはどういうことなのか?岩田の情報に対し先に動いたのだろうが、検察がそこまでして冤罪を冤罪にしないために動くのか?ということだよね・・。この辺のお偉いさんの闇の世界は想像でもよくわからないから、こんなドラマで良いのだろう。でも、待ち合わせ場所で、そこにいた客が、長谷川以外全部検察側だとか、面白いが、こんな捜査本当にやってるの?国の闇を描くドラマだが、本当に国が信用できなくなるわけですよ・・。こういうドラマにクレームが入らないのは、まあ、立法も司法も行政も、もう維持する能力が本当に弱くなってるとも考えられる。まあ、TBSとしては報道で戦えないから、こういう闘い方をするの?いや、そんな考えはないか?

そして、野村が長谷川の事務所にやってくる。こういう悪趣味のある人間だから、もう、正義など考えることもないのだろう。自分の思いが正義なわけだから。しかし、クライマックスのスリリングさは、今期のドラマで一番ですね。ちょっと、ハードすぎる気はするが、面白いです!

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