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「新空港占拠(第7話)」闇の正体が見えてくるも、まだ奥深い闇がある構造

「山猫」という闇のトップの正体が知りたくて、というかそれを突き止めたくて、「獣」たちが集まって、櫻井翔を動かし真実に迫るために公開処刑をおこなっているのがこのドラマなのだが、考えれば実にまどろっこしい気はする。ただ、こういうイベント的なものをやらないと、国の中枢を握っている闇の支配者は表には出ないままに闇に葬られるだろうことは、現在の日本の政治家たちの金の問題を見ても明らかだ。そして、その中枢にある闇がそう簡単に顔を出さないのも、このドラマにあるような構造にあるからだろう。そう考えると、このドラマ突飛なフィクションでもないところが不気味なのである。

今回は、前回、人質だった空港社長の黒沢あすかを連れて、櫻井が「山猫」の正体を追うのがメイン。そして、その間、人質と獣の一人までが爆弾で死ぬかも?という状況にある。まあ、このドラマ、人殺しは行わない方向なので、爆弾が爆発するということを視聴者はあまり考えない。その辺がサスペンス的に弱いのだが、それでも、時間までに櫻井がどう物証に辿り着くかということと、それを音楽で盛り上がる感じは、射倖心を煽る演出で、それなりに緊迫感はある。そして、たどり着いた先に出てきたのが、ずっと気持ち悪かった吉田健悟。そして。ここで「山猫」が手塚とおるであり、吉田は手塚の養子だったということがわかる。まあ、繋がったのは、視聴者の気持ちをスッキリさせるが、吉田がなんでこんなにイカれてしまったのかはすごく気になる私。で、そこに瀧口公美が現れたことで、吉田は倒れ、山猫=手塚という真相が一応わかる。そして、手塚が自白もするが、それは自分も死にたくないためなのだろう。所詮、こういう輩は自己保身しか考えない。初回に手塚が出てきた時点で胡散臭いとは思ったが、その胡散臭さを忠実に演じ切る手塚さん、すごいですよね。

しかし、その後に吉田も追っていたデータがジェシーの口の中から出てきて、そこに本当の山猫の正体というやつが出てくる。解決したと思ったら、それは上を護るための流れだったようだ。そして、ジェシーは獣の裏切り者で、彼がここで、獣の配信を乗っ取るという、なかなか「嘘だろ」状況ができる。だが、私的にはジェシーがなぜ単独で歩いてるのかやっとわかったのでスッキリ。そして、次の標的は比嘉愛未。以前からジェシーが話していた比嘉が行った犯罪行為とは何か?そして、それが空港に潜む疑惑に繋がっている?

で、空港の中では、ソニンが内部にスパイがいることを気にし出している。多分、ドラマはあと3回。その中で、なぜ、ここに空港が作られたのか?そして、それにまつわる利権が明らかになり、まだまだ「嘘だろ」の中に我々は巻き込まれるわけで。シナリオ的には、オチがしっかりしていれば、なかなか良くはできているドラマだと私は思う。

ただ、あまり役者的に興味がある人がいないのですよね・・。


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