「パティスリーMON(第4話)」少女漫画的世界が少しづつ動き出す
結局、山崎紘菜がやってきたことで、彼女が助っ人で入り、濵田崇裕は故郷に帰ることとなる。山崎は、ここぞとばかりに畑芽育に意見するという流れ。で、思ったのだが、二昔前くらいのこういう展開なら、山崎はとことん畑をいじめる体制に入ったと思うわけである。ただ、現在は、こういう職場が女だけの舞台でもないし、パワハラなどがうるさい中で、そういう極端な表現はしないようだ。多分、その空気感は少女漫画の世界自体にもあるのだろう。そういう細かいニュアンスみたいなのを大切に考える作者は、やはりドラマの中の恋愛シーンには違和感を感じる人も多いのかもしれない。まあ、いまだに私もあの事件を引きずってるのだが、難しい時代ですよね。
ということで、厨房の中でのバトルは、山崎から仕掛けてるのは確かで、畑のカスタードを作る量は多すぎるのでは?と言ったかと思うと、その後で中川大輔に接近するようなことをして、畑にジャブを打ってくる。それに心を取られて、カスタードをこがしダメにしてしまう畑。昔なら、ここで、山崎が「だから言ったじゃない」とかしめしめ顔で近づいてくるところだが、それはなく、他の男性スタッフの暖かさもあり、畑の心は目覚める感じ。ここでクヨクヨしないのが、ここでの畑の性格なのだろう。
しかし、山崎紘菜、時が時なら、完全にヒール役で一時代を作りそうな感じですよね。そういえば、朝ドラ「舞い上がれ」でも最初の福原遥への態度はかなりきつかったものな。しばらくは、こういう役があったら、キャスティングされそうな感じではある。
で、皆が飲み会に行くときに、用があると嘘をついて自腹でカスタード作りの練習を行っていると、そこに濵田が帰ってくる。今回の濵田は今までで一番和やかな顔をしていて、畑の仕事の顔つきを評価したりする。ここから、新しい恋物語の始まりか?しかし、濵田の回想シーンがあったが、彼は父親に恵まれず、暗い過去を背負ってこの業界に入ってきたようだ。中川とは真逆な過去に作られてるのがこのドラマのミソでしょうね。
中川が山崎にもう元に戻れないことを告げて、畑に電話かけようか迷ってる時に、濵田と畑が今までにない会話をしている。こういう、同じ時間の行き違いというのも、ある意味奇跡であり、現実にもありそうですよね。さあ、ここから三角関係が始まるが、それがケーキのように甘い世界かどうかは興味深いところ。
中川がもう一つシャキッと恋心を畑に伝えないばっかりに、ドラマは変な方に向かうというよくあるラブコメだが、美味しそうなケーキのビジュアルも相まって、意外に面白いです。
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