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「マイ・セカンド・アオハル(第8話)」30歳、恋と仕事と出産と生きがいの間でもがく素敵さ

ラスト、道枝が悩んだ末に留学はしないとして、広瀬が「別れよう」と言い出し終わる。まあ、20歳そこそこの男にとって、いい女がそれも年上の女ができれば、仕事よりも女になる気持ちはわかる。だが、建築家として前に進むなら、安易に女という選択肢はないとは思うが、それがドラマであり、クライマックスに向けてのギアチェンジだったりもするのだろう。だから、お姉さんである広瀬の気持ちはわかるが、そう、この恋どうなるの?という展開で最後まで見てしまう展開ではありますよね、これ。

今回は、広瀬がコンペで入賞したお祝いから始まるが、このコンペについても、入賞した作品に関しても何も語られないのは少し不満がある。後で出てくる道枝の作品とも比較してみたいしね・・。

それより、今回は30歳にして就職するために、インターンに応募するところから。一度は簡単に落とされるも、30歳にして未経験だからと、会社の担当の森カンナに言われ、落ち込む感じもあるが、何度も無理なリベンジを繰り返す広瀬。こういう無理な壁を突き破る役は広瀬あってますよね。そして、ここで自分が生きてきた人生を「藁の家」として、「煉瓦の家」を作る若者たちに立ち向かう姿はなかなか勇ましく、みていて元気が出たものも多いのではないか?まあ、性格がここまで前向きな人なら、落ちた会社に何度も挑むということで入社できることもあるのかな?そこまでのガッツと入りたい意思が就職には必要ですよね。そう、度を超えたアグレッシブなものに対し、否定し切れる人間は少ないということ。

そして、少ないシーンの間になかなかの存在感を示す森カンナ。この人もデビュー時から美しいままですよね。私は大好きです。ヒロインとして活躍していないのはちょっとした縁のなさなのだろうが、ここでも広瀬となかなかのバランスを取っての演技が心地よかった。そして、繰り上げ当選でインターンになった広瀬と最後に交わす会話も良かったですよね。そう、30歳という広瀬の歳を考えれば、結婚もそうだが、出産ということをするかしないかの選択もあったりする。広瀬の心の中は結構お腹いっぱいな訳だが、そこを頑張る感じの演技は広瀬だからこそ見ていて納得できる部分が多い。この辺りは、広瀬アリスの演技者としての成長を感じる。

そういう広瀬の気持ちがしっかり描かれているのに対し、道枝の心理はあまり細かく描かれていないのがちょっと不満なところもある。広瀬に誘われて正月に広瀬の家に遊びにいくのは、もう彼女がかなり好きになっている証拠なのだが、そこと留学の話との葛藤みたいなものはもっと描きこまれても良かったのかもしれない。流れ的には、ここからそれが描かれる感じでもあるが、恋と仕事の天秤をどう処理していくかで、このドラマの良し悪しは決まりそうだ。現代の学生、社会人に向けて参考になるラストであるならいいなと思ったりしています。そう、このドラマをみて、30歳で大学を受け直したくなる人がいるなら、このドラマは大成功なのですよね。

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