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「婚活探偵」ハードボイルドと婚活を一緒に見せる漫画的なセンスをどう展開できるか?

そう、現代にハードボイルドはなかなか似合わないかもしれない。ドラマではそれはないが、実際はマスクをしていないと夜道も歩けない今、サングラスに黒マスクでは、ただのギャングだ。いや、ギャングと刑事の区別がつかない。パンデミックな世の中は、今までの「格好よい」を受け入れてはくれない。

ということで、ハードボイルドでストイックな元刑事の探偵という古臭い男が、このドラマの主役。演じるのは、向井理。もともと彼はそんなハードボイルドな雰囲気ではないわけで、どちらかといえば、ハードな雰囲気の方が作った演技であり。まあ、面白いが。結果的には、それがコメディに見えてくるわけであり、そういう意味ではこの役は適役だろう。

脇を固めるのは、相棒的な存在の前田旺志郎、探偵事務所の所長がマキタスポーツ、行きつけのバーのマダムが橋本マナミ、結婚相談所の担当が成海璃子と、それなりに個性的。なかなか、興味深いキャスティングである。

しかし、向井理、演じる主人公の男は、実に古臭い感じ。昭和のその世には良くいた男像。サングラスに、髭、タバコというアイテムで男を主張するが、いつの間にか、こういう男は古臭くなってしまい、なんか古い時代のこびりつきみたいにも見える。特に、今の日本ではこれに似合う街がなかなかない。だから、事務所は横浜黄金町あたりのロケ。そう、そこは取り残された街なのかもしれない。

そんな古い男が、婚活マーケットに入ってくるとどうなるか?という話。ガラケー持ちの男がこの婚活サービスを知るのは、ビルの上のでかい広告。そう、多くの人がスマホを見ながら歩いている昨今、こんな広告見るのも、ガラケーを持っているような人だけかもしれない。ならば、似たような人がここにくるとも解釈できる。

しかし、向井は、疑似デートで、成海に「臭い」と言われる。そう、タバコくさい、男臭い、そして加齢臭か?昔は、会社の中によくいた男臭いオヤジであるが、昨今は、確かにあまりそういう臭いの人は少なくなったかな?それ自体が世界遺産になる日が来るかもしれないですな。でも、タバコが画面上に結構な時間出てくるドラマです。これ、BSだから、できるのかもしれませんね。(地上波だと、多くの電話がなりそうです)

初回の見合い相手は、堀田茜。なかなか素敵な女性ですが、ここでは、世の中に馴染めず、男には近づけないような、看護師役。まあ、美女がブスの役をやるときによくある感じの演技ですが、向井の今回の演技のバランスから言うとこれでいいのでしょう。ただ、堀田さんの方の日常も少し入れて行ってもよかったのではないか?オチになるタバコ嫌いな面もセリフでもいいからもっと強調してもよかった。

結果はNG。その理由は、花束を渡すところで、手に染み付いた黄色いタバコの染みを見てしまったから。まあ、大事な一点だったのでしょうね。

とにかくも、婚活が始まった向井理。どのように、男として変化していくか今後、楽しみである。


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