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「ワンダーウーマン1984」正月には、こういう気持ち良い映画を上映すべきですよ。

初映画館は、池袋グランドシネマサンシャインのIMAXの大画面で「ワンダーウーマン1984」を観る。街に人が少ないのもあるが、映画館もあまり正月らしさはなかった。感染症の問題もあるが、それにより、正月の映画館に派手な作品がないのもあるだろう。

ふた昔、いやそれ以上前は、洋画はハリウッド大作の対決だったりで賑わっていたり、邦画も、寅さんやトラック野郎のような、正月そのものが出てくる映画だったり、正月興行は特別なものだった。しかし、今年はハリウッド映画の大作はこの一本。邦画に関しては、最近は製作がかなり前で、公開の時期も決まっていないものも多く、正月を狙っての作品はあまり存在しない。そして、いまだ、「鬼滅の刃」がメインの出し物になっている感じ。色々寂しい感じの2021年の正月映画界隈である。

私は、最近、元日に映画を観ることが多い。まずはファーストデーで安いことと、テレビを観る習慣がなくなったからだ。とにかくも、正月らしい映画を正月に見たいということで、元日までこの映画を観るのをやめておいた。それは、正解だったようで、久々に派手な映画を観て、まずは満足な今年の始動だったということであります。

とりあえず、ワンダーウーマンの映画の二作目ということで、舞台は1984年。携帯電話など存在しない世界がとても心地よく感じた。そして、ラストはクリスマスの平和な街の風景。「おー!正月映画じゃないか!」と喜んでしまった。

そして、内容は「人類の全ての人の欲望が叶う世界になり、人類が滅亡する」という大きなお話。そこに一人で立ち向かっていくワンダーウーマン。歴史的に、文明の滅亡を起こしてきたとされる石が動き出し、その石によって、ワンダーウーマンと同じパワーを持つ敵まで生まれてしまうという、わかりやすい話。最後は、心の問題だから、パワーで解決はしないというのは、ある意味、男のヒーローでないからの結末か?そして、家族の存在が、地球の滅亡を止めるような話は、今の全世界のコロナ禍にあっては考えさせられる。そう、欲望=経済と考えれば、この映画の中で起きている事象は現在の話とあまり変わりがない気もする。

映画は、最初に古代の女たちのバトルから始まる。そして、1984に移ってワンダーウーマンの闘う風景になる。もう、ここまでノンストップで観客を飲み込むハリウッドテイストは大好物だ。

その後、博物館の風景になると落ち着きを戻し、少し説明臭くなる部分もあるが、敵の正体を追いかけ始めてからは、ノンストップアクションという感じで楽しめる。その中で、敵の飛行機を追って飛ぶワンダーウーマンが「風を掴み、風に乗れ」ということをささやく。そう、ここも風の時代になったと皆が言っている中で、私の心を掴んだ。とはいえ、これは1984年の話だけれどもね。

敵の胡散臭さも、今生のさまざまな組織のリーダーの胡散臭さに似ていて、観ている方は敵としてはっきりと理解できるのも良いところだ。そう、この敵となる男も、ワンダーウーマンの敵になる学者の女も、元々は世の中的には冴えない人物だというのも、この映画の肝である。いじめられていた人間のイライラは、こういう暴走を起こすことがある。だから、自分が優位にあるということで他人を辱める行為はやってはいけないことなのだ。ワンダーウーマンは、それらに相反する人物ではない。あくまでも、生きる上で大切なのは、人への優しさなのだと理解して闘っている。ラストも、少し出来過ぎな感じもするが、良きヒーローストーリーの終わり方だと思った。

まあ、ワンダーウーマンを演じるガル・ガドットのいい女っぷりと格好良さに尽きるでしょうな。

とにかく、少し寂しいお正月ですが、勢いつけるには良い映画でした。これと「鬼滅の刃」を二本続けてみると、今年のパワーと優しさがかなりつく感じです。そう、正月映画は、思いっきり派手なのがいいのですよ!


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