見出し画像

「あたりのキッチン!(第8話)」インターンと唐揚げと最後の試合と水餃子と自分のやりたいこと

今回は結構盛り沢山な内容。その最後に渡部篤郎が桜田ひよりの父親を知っているような話をしかける。この二人、ただならぬ縁で結びついてそうだ。そういえば、渡部の奥様も桜田を受験の時に助けたというエピソードがありましたね。歳をとると、人生、そんな奇跡の縁の中でできているような気がしていまして、こういうドラマに対しリアル感を思えるようになったりしています。

今回は、渡部の息子の窪塚愛流のサッカー部最後の試合前の食事の話と、桜田のインターンシップのお話。両方とも、なかなかコクのあるお話にできていた。

まずは大学で就活の話が出てきて、工藤美桜に相談する桜田。コミュニケーション取らないで黙々やれる仕事はないか?との相談に、工藤が「そんな一人焼肉みたいな仕事はないはね」というのが面白かった。そう言われるほど、未だ初対面の人にはオドオドしてしまう桜田。お弁当やさんのインターンシップのチームプレゼンでもチームの他の2人に戦力外に思われてしまう感じ。しかし、それが彼女の絶対味覚の発覚から様子が変わってくる。そして、お客様のテイストに合わせた唐揚げ弁当を作る提案ができる。

発表の日、発表者が声が出なくなってしまい、桜田が代理で立つことに。辿々しさは変わらないが、言いたいことを語れる桜田だった。この後で、インターンの一人が、ここの会社に入りたい理由を「あったこともない人に『美味しい』を伝えたい」ということを言う。確かに会社に入った時には皆がそんなことを思うのだろう。しかし、大会社に入った途端に、末端の顧客が見えなくなるのが事実だったりする。だから、コンビニの弁当は、どう作ろうが愛情が感じないし、いつも同じ味がするほか弁にも、ご飯の温かさ以外にはあまり魅力は感じない。だから、ここでは顧客が味を選べるという提案をしているわけだが、それでもコンビニや弁当屋に壊された日本の食文化は元には戻りにくいだろう。

そして、そんなインターンの発表の中で窪塚の試合前夜の食事が気になる桜田。気になって読んでいた「スポーツ栄養学」の本に試合前日は揚げ物は御法度的なことが書いてあったのだ。それを渡部に相談し、献立をトンカツから水餃子に変更するウルトラC。そして、おにぎりの中に少し忍ばせたゲンカつぎのトンカツの話はなかなか泣けてくる。色んな意味で愛情がこもった味がそこにある。「阿吽」がお客様に合わせた味を提供すると言うことはこのことであり、そう言う食文化がもっと広がって、日本人を笑顔にするなら、それが理想だろう。もちろん、コンビニやお弁当屋さんの開発者もそれはわかっているはず、でも商品にGOがかかり、大量生産してしまうと、その「愛情」みたいなものが薄くなるわけで、味が出せる限界があったりしますよね。まあ、そんなことを考えながら見ていると、なかなかタメになるドラマではあります。

そして、桜田ひよりは、料理人の道を歩み出すのでしょうか?

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?