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「TOKYO MER~走る緊急救命室~(第4話)」パラレルで動く救命と、医者としても葛藤と命への想い

ラスト、敵であるはずの賀来賢人が眠っている鈴木亮平に握り拳を差し出す。ある意味、徐々に、賀来は鈴木をリスペクトし出している構図だ。どこで、賀来が鈴木側に着くのかは興味深いところ。

今回はトンネル崩落現場の救出と心臓移植手術がシンクロしてしまうという状況。崩落現場の救出と、そこからの移植心臓の救出と、移植患者の命と、優先順位がわからなくなるような中で、全てを救おうとするスーパーマンの物語である。まあ、エキサイティングな1時間だった。

そして、今回は仲里依紗の医者としての演技がなかなか決まっていることに感動した。どちらかといえば、こういう固い役はなかなか回ってこなかった仲だ。シリアスな演技がここまでできるような女優になったのだなと少し感動した。そして、得意な心臓移植手術でも、これだけ多くの困難がのしかかった中でGOをかけるのは難しいという、心が葛藤する演技がとにかく良かった。手術シーンはドクターX状態でしたね。上の写真にある、後ろ姿で表情が作れる女優さんなのだと認識いたしました。今後の演技も楽しみです。

そして、鈴木亮平はいつもの無茶なリーダー。そして、レスキュー隊の要潤とのやりとりというか、友情は芽生えているようだ。ただ、最初に生体反応が出ないで、取り残された医師と心臓が見つからなかった話はちっといただけない。ある意味、二つの命がそこにあるのだから反応しないことはないのではないか?まあ、ドラマとして時間がない状況を演出している訳だが、色々無理がある。そこを音楽でうまく繋いでしまうのがこのドラマではある。

レスキューと救急の共同作業では、今回も菜々緒が活躍。自分の身体の細さを活かして、崩落現場の狭い空間に入り込む。彼女、今回は本当に良い役をもらっていますね。

そして、最後の、二つの手術、二つの心肺の蘇生がシンクロする部分は、やりすぎと思われるくらいにエキサイティングに作られていた。まあ、カット割りと音楽の妙ではあるが、日曜劇場らしい盛り上がりというやつであり、心地よくはあった。

ラストで都知事である石田ゆり子が室長に「強いですね」と言われて「冷酷なだけよ」という。政治家とはある意味冷酷でなければならない。でも、ここで描かれているのは、多くの人のためになるという信念があってこその冷酷さである。現実今の都知事のように、自分の保身のための冷酷さは全く格好いいものではなく、閉口するが…。そこも皮肉って描かれているところが、このドラマの気持ちよさでもある。

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