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「あたりのキッチン!(第3話)」メンチカツにまつわる、よい話

子供の時に食した、肉屋のコロッケやメンチカツの味は今も記憶の中にある。そして、母親が作ってくれたそれも、味は違うがやはり記憶の中にある。そのくらい、この二つの揚げ物は日本人の中にさまざまに記憶として刻まれているものである。そんなことを今更書かせる話であった。

居酒屋の息子が魚嫌いという設定。息子を演じるのは窪塚洋介の息子、窪塚愛流。お父さんよりも爽やか系な好青年。「最高の教師」のD組の中でもそれなりの目立ち方をしていたが、これからどういう俳優に育つかは楽しみである。

確かに、日本の家庭に魚が並ぶ回数も少なくなったし、価格が肉よりも割り高なことも確か。昔に比べたら流通が良いので新鮮な魚が食べられるし、生臭さで拒否する子は少ないとは思うが、まだ、寿司は食べられるが、他では魚が苦手という子もいるのかな?ドラマの中で桜田ひよりが言うように、アジフライの三角形は美しいし、美味しさを視覚で訴えてますよね。本当に魚が食べられないとは勿体無い限りです。

そして、窪塚は、自分の店も「おっさんくさい」と思っていて、サッカー部の友人が「阿吽」で決起集会をしようと提言しても乗り気ではない。しかし桜田は、窪塚の母親の写真を見て思うところがあり、強行突破、決起集会を無理に開かせる。

そして、父親に言われるままに、料理の手伝いをさせられる窪塚。そして、今回のメインディッシュのメンチカツの作り方が出てくる。豚肉を使って肉汁を楽しませることと、最後にマヨネーズを混ぜるというのが肝。確かに聞いているだけで美味しそうなレシピではあった。そう、こういうドラマ内のレシピは、それをセリフとして言っている時に視聴者においしさが伝わらなければいけない。そこのところは、初回からうまくできている。

そして、できたメンチカツもすごく美味しそうなわけで、自分もメンチカツを作りたくなってきてしまった。そう、それはドラマとしての勝利である。

そして、そのレシピが、窪塚の亡くなった母親(西尾まり)のものだと告白する桜田。桜田は大学受験でお弁当を忘れ、その場にたまたま通りかかった西尾にメンチカツをもらい、その美味しい味を覚えていたのだ。桜田はそれで無事大学に合格し、そのご縁がここにつながったといういい話。まあ、ドラマだからと言う人もいるかもしませんが、リアルでもそんな縁はよくあることです。何か良い縁があれば、それは一生忘れないものですしね。

そんなことよりも、子役で活躍していた西尾まりが、今や母親役をそれらしくこなし、今はもう亡くなっている役をやっているとは、時の流れに驚きですが・・。

そんな話を聞かされて、ジンとこない人間はいないだろう。窪塚がそれで、食に対して少し素直になったのは良いラストであった。

と思ったら、桜田を訪ねて変な男がやってくる。連ドラとしても次が気になる作りにちゃんとできていますね。このドラマ結構好きです。

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