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「わたしの幸せな結婚」目黒蓮、今田美桜を愛でるための映画としては秀逸

顎木あくみの原作を映画化した作品。日本的の妖しの世界ながら、舞台もその組織も国家も架空設定の物語。その詳細は、この映画だけ見てもよく理解できないところが多いが、主役の二人の愛の物語として見てればいいわけで、そこそこ「感動した」という観客はいるだろう作品だった。

だいたい、何故にこんな題名の映画を観に行ったかといえば、今田美桜が主演として出てるからだ。昨年のドラマ「悪女」での彼女の演技は絶品だった。彼女の良いところは、喜怒哀楽の表情をしっかり体で演じられること。そして、小さな身体にあって大きな目が、いろんな状況をうまく表現するところ。今の若い女優さんの中では同じような人がいないのも得してるところのようではある。

そして、監督は、TBSのドラマで傑作を叩き出し続ける、塚原あゆ子。115分の本編、全体をなかなかエネルギッシュに演出している。ただ、やはりテレビドラマ出身の演出家は映像で表現しようとするところが欠けているのは仕方ないところ。場面場面で、結構、素敵な構図もあるので、もう少し映画の大きな画面と空間を理解してほしい気はする。内容を説明するセリフが邪魔なのだ!まあ、そんなこと書くと、「映画とは何?」という答えのない問答になるのだが、私的に映画館ではクールな映像が見たいということです。

そして、これ、くくりはアイドル映画ではないのだが、目黒蓮と今田美桜のファンには、何度もリピートしたような映画ではないか?スターを魅せる演出については、塚原監督、大変よくできましたというところ。私の目当ての今田の演技の幅の広さも十分見せていただいたし、彼女が家族に虐げられてきて貧相な感じで目黒の元に嫁いできて、目黒が外に誘い、そこで化粧した今田の化粧で美しくなる感じは、なかなかナチュラルな変身ぶりで素敵であった。和風なシンデレラストーリーなわけだが、彼女が演じることでそれがオリジナルな雰囲気にうまく出来上がっているのだと思う。

目黒もまた、昨年に続き今年も役者としてのオファーが多いことだろうが、なかなかアクションも含め前に出る演技ができていた。たまに、セリフ回しがキムタクっぽくなる感じが解せなかったが、キムタク以上にいろんな可能性が見えるのは確かだ。長髪格好良かったです。

異形な血の持つ能力が帝を守り、その血筋が重要な社会というのは、政治的に見ればかなりヤバい世界だとは思うのだが、その辺りにあまり深入りしすぎていないので、許される話なのだろう。そして、血筋があるのに何も力を持たないとされる今田が、封印されていた大きな力を持っていたというのは、最初から詠める話だったりもするから、まあ、その辺り観客を裏切らない。最後は結婚を約束する二人という構図というのは、映画としては王道であり、心地よいラストではあった。

役者では、あと渡邊圭祐と前田旺太郎が目立っていたのと、久々に山本未来さんが印象的でした。そして、火野正平さんは、もはや組織をまとめるような役なわけですね。なかなか似合っておりました。来週から「こころ旅」も再開になりますが、まだまだ役者も続けてほしい人ですな。

とにかくも、目黒蓮が見たい、今田美桜が見たいというみなさんはオススメです。なかなか至福の2時間弱が待っております。私的には、次の今田美桜主演の映画が早く見たいです!


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