「笑うマトリョーシカ(第6話)」玉山鉄二が捨て駒になって、ドラマはどう展開するというのだ?
しかし、今の日本にあって櫻井翔みたいなものが官房長官になるなどという話はないだろうが、それにしても櫻井の薄っぺらな政治家の演技はそれらしい。形として存在はするが、本質が何もないように見えるが、権力だけは得て登っていく。
そして、その存在のあり方の原点が生徒会の選挙だったというのも、もう一つリアル感がない。それだからいいのかもしれないが。だいたい、生徒会の選挙で演説の仕方を学ぶみたいな人は本当にいるのだろうか?このドラマ上では櫻井の実の父親の演説が完璧だみたいなことを言われるが、それを画面上に見せられてもピンとこなかった。本当に、今の世の中で演説が上手いという政治家がいない。そして、本質的に中身がある政治家もいないというのが私の感想だ。
だからこそ、ここにいる櫻井のような、中身がないのに支持される的なものが存在するのだろうが、私はドラマを見ても虚しくなってきている。最後に、誰が仕組んだが知らないが、玉山への週刊誌スキャンダルが出て、彼は櫻井の秘書から下されるわけだが、こういうの見てても、ワクワクはしないですよね。
そして、主役の水川が新聞記者だったというのに、事件を動かしてるのは週刊誌。まあ、リアルな今がそうだから仕方ないのかもしれないが、これ、ジャーナリズムが怪しい輩を追いかけているのに、そのジャーナリズムの追い方がもう一つ格好良くないというか、見ている方を引っ張っていってくれないのは、私的には疑問。
そして、最後に残ったのは、櫻井の母親の高岡早紀。まあ、政治家の妻というのが一つのカードとして動くこともあるが、この高岡に政治を動かしてる空気感はない。その所も、もう一つドラマに乗れない理由か。そう、高岡が男を操って政治を動かすなら、こんな田舎の母親役より、クラブのママさんでそれをやったほうがよほどわかりやすい気がする。
そして、外人の生活の救済みたいなことに興味があるというのは、何のため?ある意味、森村誠一「人間の証明」のように、時代に操られ、娼婦だった過去を隠して歩く女が政治を動かすみたいな話なら面白くもあるが、そういうバックグランドはあまり感じない。出てくるのは昔の株式にまつわる事件のみ。
このドラマ、かなり社会派を狙ってるのはわかるが、一つ一つの過去の種明かしみたいなものにゾクゾクしてこないのだ。それで、友情の中で櫻井を政治家として育てたいみたいな話も、見ている方にしっくりこない。今回で6回目だが、私もそろそろリタイアしたい感じ。まずは、高岡早紀をもっと強大な悪みたいに描いて欲しいかな?