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プロ野球の持つ面白さを、最高に味合わせてもらえた日本シリーズ。東京ヤクルトスワローズ、おめでとう!

ここで、プロ野球のことを書くのは初めてかもしれない。私は、50年来のスワローズファンである。あの、初優勝の時の喜びは、今も鮮やかに脳裏に映る。とにかく、小学生の頃は、巨人以外が優勝するなど考えられなかった時代。世の中が、弱いものに目を向ける事はなかった。だからこそ、弱い広島やヤクルトが勝った時は、時代の変化をそこに感じたりした。

それから、我がスワローズは、何度も浮沈し続け、野村黄金時代という奇跡的な時もあり、ここ数年は、優勝したかと思ったら、ビリという、まあ、ある意味通常営業。ファンも、そういうスワローズが好きだったりもしていたわけだ。

今年は、開幕、阪神戦3連敗から始まった。皆が「今年も厳しいな」と思った。そして、春先は阪神の独走体制の中で、優勝などという言葉はファン自体が誰も発しなかっただろう。でも、交流戦を勝ち越し、前半を3位ターン。でも、1、2位に大きく負け越していた。ここでも、まだ、そんなチームが優勝という感じはなかった。

だが、空気感が変わったのは、東京オリンピックで、山田哲人と村上宗隆が活躍し、日本を背をって戦ってきてからのような気がする。投手陣も、後半からどうにか落ち着いて熱投が勝ちに繋がるようになってきた。奥川、高橋という若手の台頭は心強かったし、中継ぎ、抑えでなんとか逃げ切れるようになり、チームはどんどん変わっていったように感じる。そして、高津監督の「絶対大丈夫」という呪文が出てきて、その気になってきて、奪首!もう、ここで私を含めファンも調子に乗り出した気がする。そう、今年、優勝しないでいつするのだ?という感じだった。そして、優勝!でも、決まったのは横浜球場。そして、最終的には阪神に0ゲーム差という状況。この時、CSもそう簡単ではないなと思っていた私であった。

でも、相手は思いの外弱かった。スワローズだけが、勝つことの執念みたいなものを持ち続けたということなのかもしれない。そして日本シリーズ進出。その開催は11月の最終週という、変則状態。そして、スワローズは神宮が使えないし、バッファローズも京セラドームと、ほっともっとフィールドの二つの場所での開催とかなり変則。そんな中でどんな試合が行われるかという興味はあったが、ここまで凄いものを見せられるとは思わなかった。そう、最近はパリーグの試合をあまり見ない私は、バッファローズの強さに驚かされたし、それに打ち勝ったスワローズが本当に強くなったのだなと思ったりもした。最後、優勝が決まった瞬間、スワローズの選手たちは涙が溢れてきて大変だったが、こんな光景をプロ野球の選手に見るのは初めてのような気がする。そして、そういう光景をもたらしたシリーズの全6戦は本当に死闘というにふさわしい試合だった。

第1戦:奥川対山本という開幕。山本由伸に関しては凄い投手だということはわかっていたし、奥川がどこまで粘れるかというところだろうと思った。結果、二人の対戦はほぼ互角。奥川はこの大舞台でもちゃんと結果を出してきたのは、本当に凄い20歳だと思ったりする。そして2点差でスワローズは当然勝つだろうと見ていたら、抑えのマクガフが見事に抑えることができなくて、サヨナラ逆転負け。まあ、スワローズファンにしたら、バッファローズにかなりの脅威を感じた初戦だった。

第2戦:高橋対宮城という、若手対決。半ばまで、スワローズは宮城にパーフェクトに抑えられていた。前日の記憶もあるし、なかなか見ていて苦しかったが、高橋も見事に押さえ込んでプロ入り初完投、初完封で見事に初勝利。本当に、板野友美はかなりの「あげまん」なのかもしれないと思った次第。

第3戦:舞台を東京ドームに移して、小川対田嶋。小川は、シーズン終盤からイマイチな感じだったが、まあ6回3点で凌いでるわけで及第点か?シーソーゲームというやつは本当に見ている方も疲れる。それだけ、両チームの力が拮抗しているということなのだろうが、この日はサンタナが決勝弾。今年は、外人二人に助けられることが多かった。ここは、今の日本のプロ野球ですごく大事なところ。

第4戦:石川対山崎、6回表で同点にされて、石川降板。このまま、また石川が勝利に報われない流れかと思ったが、その裏オスナのタイムリーで逆転。運みたいなものも呼び込んで、王手!石川の勝利は本当に嬉しく思った。

第5戦:原対山崎:またまたシーソーゲームの状況で、村上、山田のアベック弾もあり同点のまま9回。また、マクガフが被弾!前日と前々日にはちゃんとセーブをあげているわけで、もはや、勝つか負けるかは彼にかかっている感じに見えてくる

第6戦:このシリーズ初めての外での試合。高梨対山本。まあ、山本由伸が打てるかどうかというところだろうとは思った。そして、先制するもすぐ裏に同点にされるという痺れる展開。高梨は良く投げたが、この試合9回から清水、10回途中からマクガフがロングリリーフと、シーズン中にはなかった起用方法。高津監督ならではの投手心理の読み方ということなのか。それが見事にハマる中で、12回表には、川端がタイムリーの決勝打!見せる人が魅せるという最高の展開で終了。もう、見ている方もクタクタという感じ。この優勝、本当に幸せでした。

最後まで「絶対大丈夫」という呪文を頼りになんとか勝てたという感じなのだろう。選手の涙にそれは感じる。そして、シリーズの勝敗の決め手はマクガフの出来次第というところがあった。6戦で1勝2敗2Sと色々と責任を持たされているのが良くわかる。本当に抑え投手は大事。そんなシリーズのMVPがキャッチャーの中村悠平だったというのは、凄い納得いくこと。両チームにホームラン王がいる戦いながら、投手力の戦いでもあった気がする。そう、野球のいろんな魅力が詰まったすごく面白いシーズンだった。とにかくも、両チームに拍手というのが当然のことだろう。できるなら、来年、もう一度この両チームの戦いを見たいと思ったりもする。

とにかく、昨日で2021年のプロ野球全試合が終わり、今年も後1ヶ月。まだ、パンデミックとの戦いも終わっていないが、そんな中、プロ野球の面白さを再確認した気がする一週間だった。来年も面白いプロ野球であってもらいたいものである。

東京ヤクルトスワローズ、本当に目一杯の元気をいただきました。ありがとうございました。お疲れ様でした。


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