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「彼女たちの犯罪(第10話)」追い詰められて、護るものが何かもわからない状態

ドラマ的には、先週でこの犯罪は追い詰められた感じ。正直、一番悪いのはこの席替えゲームを計画した石井杏奈だろう。最後に追っていた野間口徹が逮捕よりも彼女の体調を気遣っていたのは、上司として当たり前かもしれないが、彼の役としてはなかなかクールな刑事だったですね。

まずは、前田敦子が家に戻る。どういう気持ちで戻ったのかはよくわからないが、警察からの指名手配を受けた段階でどうしようもなかったということだろう。しかし、毎熊の両親が彼女を責めもせずに、抱きしめてあげたのは、ドラマ的には救いがあるシーンだが、もう一つ説得力がない。子供が作れなかったことに加えてこれでは、毎熊も家族も未来は暗い・・。

その毎熊は、前田をはじめ彼らを責めるばかりである。前田と石井と深川のいるところに向かっても、自分の非は決して認めないわけだし、ドラマとしては救いようのない男としか描かれてないのは可哀想すぎるが、あくまでも、この話は女たちの欲望の行方というところがテーマなのだから、男の扱いはこんなものだろう。

石井杏奈は死ぬことが見えていたわけで、最後に復讐したかったというのはわかるが、子供の親が彼である以上、彼女が亡くなった後で子供がどうなるかは考えなかったのか?結果、話としては事情聴取も終わり解放されたさとうほなみが石井の子供を引き取る形で終わっているが、この子の人生は父親も含めここから大変だなと思わせる感じはなかなか刹那い終わり方であった。

で、ここで考えるが、前田敦子は何を望んでこのゲームに加わったのか?最初は自意識もない感じで街を彷徨っていたのだろうが、学校に替え玉で潜れたことで自分の居場所を見つけ、それで結婚までできたという夢の到着地は、居心地が良くはなかったということ。そして、周囲の言われるがままにゲームに加わってしまった流れだが、結果的に最後に彼女が何も成長していないような描き方は面白みに欠けた。だが、そのアバウトな生き方を前田がうまく演じていたということは言えるわけではあるが・・。

そして、社会人として顔を潰されたような状況で、男の財産目当てにゲームに加わった深川麻衣。彼女のような女は昔からよく描かれるタイプだ。自意識が強いが、うまく生きられない。もし、ゲーム完了して、毎熊と結婚できたとしても、そこにまた不満が出るだろう予想できるタイプ。こちらも見ていて辛い女だが、深川もそういう女を好演していたとはいえる。そう、女優たちの演技を楽しめたのは、このドラマの良かった点である。

ドラマ的には、悲しいだけのゲームオーバーだが、確かにこういう犯罪は起こりうるし、そのゲームをスタートしたことで、迷路にはまっていく様はなかなか興味深かった。男としては、女には気をつけましょうという話でしたね。

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