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「着飾る恋には理由があって」シェアハウス、インフルエンサー、そんな現代のアイコンを使って、どんな新しいドラマが作れるか?

タイトルからは、フランス映画風のものを作りたいのかな?と思ったりもする。主人公はSNSを使いこなし、フォロワーの数を気にしながら生きるインフルエンサー。決してそれで多くの金を稼いでいるわけではなく、それだからこそシェアハウスに住むことになる。

そこに住む、他の3人も今風な感じはする。(見る人によれば、昔と同じと見るかもしれないが、今はこういう時代なのだ)

まずは、主演の川口春奈。大河ドラマを終えて、一つ株が上がった感じだが、芝居に少し余裕ができてきた感じには見えた。ただ、さまざまな役をやるには、どうも表情が平板なので辛い感じ。そして、顔立ちが美人すぎるので、きつい感じに見える時があり、損をしている気もする。ただ、今回の役は、まだ誰もちゃんとやったことがないと思われる「インフルエンサー」という役。面白い。脚本はかなりしっかりできている感じなので、もう一つステップアップするためにも、うまくこなして欲しい。

そして、一応、恋人として最後まで色々ある役なのだろう、横浜流星。少し格好つける感じの役が多かったので、少し違った顔を見た感じ。とても好感!個人事業主で自由に生きるが、仕事はしっかりとやるタイプ。そして、デジタル社会には興味なく、愛と心で生きている感じ。これも、ある意味、今風であり、川口の生き方とうまく相反してあるところが味噌なのだろう。

そして、もう一人の男、丸山隆平は、初めから川口のことを「ドストライク」という。まあ、こういう設定はよくあること。男2人が女一人を奪い合う感じのエッセンスはシェアハウスなら必要ですものね。

そして、もうひとりの謎の芸術家役の中村アン。いつもの華やかな感じの役とは違っているが、どういう芝居をやるかは見物というところ。長い髪をバッサリ切ってのこの役は、それなりの覚悟を感じるので、これも楽しみ。

そして、SNSというものがドラマの中で当たり前のように出てくる時代だが、インフルエンサーの生活とか、会社のSNS担当とかを、真正面から描くのは初めてだろう。実際に仕事としてそれをやると、ここにあるような休みのない生活になり、常にフォロワー数を気にし、インスタ映えで商品を作ろろうとしたり、色々と厄介な世界なわけである。そして、これを行い、成功に導くには、普通の人間が嫌がる、継続性とマメさが必要なわけだ(毎日、このnoteを書いている私がいうのだから間違いない)。だから、それができる人は、突然にキッチンカーを探すようなそれなりに細かい時間のかかる単純作業みたいなものも難なくこなせたりする人だったりする。ドラマを見ていて、よく、その仕事を理解しているなと思った。

金子ありさの脚本は、視聴者にかなり手応えを感じさせる恋愛ドラマの幕開けをさせている。ファーストシーンで、車の中から川口を見ている横浜。そして、そこにあった川口の姿は、人に優しい本質を見せている。多分、デジタル社会のなかで人がどう優しく生きていって、どう男女が一緒になれば良い未来が作れるのか?みたいなドラマなのだと思う。ちょっと楽しみな作品だった。

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