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「笑うマトリョーシカ(第11話)」"みくびるな"と言う言葉は、リアルな日本の総理候補が皆思っていることかもしれない・・。

ラスト、総理になる櫻井翔。その前の櫻井と水川あさみの間で行われる答え合わせのような長い問答の後で、結局こいつが総理になったのかという結末。そして、憲法改正に向かうシナリオは、今の自民党のシナリオがモデルであることは確か。そして、今やっている自民党の総裁選も、マトリョーシカの中の人を誰にするか決める選挙である。中の人は、自分で考えないでいい。それなりのオブザーバーがいれば世の中なんとでもやっていけるし、そうやってヒットラーになりたいような奴ばかりと言うことも確かだろう。どんなに綺麗事を言おうと、自民党は、今の日本人にいる弱者を喜ばせるようなことはしないわけだ。ドラマが結構複雑な感じだった割には、普通に政治は変えられないと言うようなラストは面白くないし、こう言うのは自民党も喜ぶだろう。

前回は、水川を横に置きたいという櫻井の話まで。そして、水川は、記者として櫻井の手の内に入った方がいいとばかりにその提案に従う。そして。櫻井は記者会見で水川の言った意見をそのまま記者に言ったりする。そう、この男の頭には何もない。というか、何も考えずに周囲の信じられる意見をうまく使って生きてきた。そして、今度は水川が櫻井の人形の上に被されたわけだ。

で、水川は、前回、自分の手に入った過去の株式の事件の証拠を世に出すためにも、櫻井の仕事を断る。そして、総理も外務大臣も捕まり、櫻井が総理になる道を作るように水川は動く。

その後の櫻井と水川の会話がドラマのクライマックスになっていたわけだ。そして、そこで櫻井は今はハヌッセンなどいないという。ある意味、高岡早紀も田辺桃子も、死んだ父である加藤雅也も、玉山鉄二も櫻井に影響を与え、彼がここまで上り詰めるためのハヌッセンの役目を果たしていたわけだが、それをことごとく使い捨ててきたのが櫻井であり、彼はヒットラーになりたかった的な話なのだ。ある意味、この辺りで小泉進次郎を思い出す人もいるかもしれないが、ここでの櫻井は地頭はいいはずだし、多くのファンの掴み方も知っている。そして、邪魔者を殺したりするのもそれほど悪くは感じていないようだ。そういう部分は、今問題になってる兵庫県知事や都知事選で2位になった、日本語さえ喋れないような輩を思い出す人々もいるだろう。そう、多くの首長がこんな人だから、前に進めない日本であることは確かだ。

そう言うまとめができるところで、このドラマは今の日本の政界など、そんなものだと言っている気もする。そんな中で、最後に憲法改正まで出してしまうのは、やはり危険だ。結果的には、櫻井は自分の周囲の人々を利用し、ゲームをしているだけだ。そこに、自分の野心もあまりないし、この国をどうしたいと思うこともあまりないのだろう。そして、それは今の自民党総裁選に出馬してる全ての候補者にダブるものがある。水川を記者クラブの外から取材する記者にしたのも、今のジャーナリズムへの意見がしたいからと言うことだったのだと思う。

とはいえ、ドラマの中身は分かりにくく、こんなに人が死んでるのに大事になっていかないのはおかしいし、この原作も、脚本家も、日本をどこに持っていきたいのかが明白ではない。所詮、彼らもマトリョーシカの人形の一つに過ぎないと言うことか?そう言う意味で、興味深くはあったが、ドラマとしては納得いかないことばかり。

最後に玉山が区議に立候補して、妻の真飛聖と選挙運動をしているシーンが、政治無関心的なものを映し取る。そして、彼らの姿は、どう足掻いてもマトリョーシカの人形の一つになれないことを示しているわけだ。そう考えれば、日本が世襲議員だらけになるのは当たり前のことであり、そのあたり、ぶち壊す方法論を解いたドラマが見たいと言うのが私の本音である。



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