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「NOPEノープ」こういう形の映画がエンタメとして成立する時代なのか?と、色々考える

ネットを観ると、結構「好きだ」と言っている人が多い。とはいえ、予告編を見ても、何の映画かよくわからない。でも、IMAXでの上映だ。監督のジョーダン・ピールという人の映画も見たことがなかったので、色々情報0の中で見てきた。

正直、鑑賞後の印象は「変な映画」ということでいいのだろう。作った人が、映画というものを「こう作り上げたら新しい?」という感じで構築した世界であることはわかる。そう、作った人がそれなりに映画が好きなこともわかる。かなりの量をIMAXで撮ったらしく、IMAXフルサイズ画面で見られるところが多いのは嬉しい。しかし、これ世界観が合うか合わないかというところなのだろうな。私は、結果的にはあまり好きな世界ではなかった。

そう、話は、撮影用の馬を育てている牧場で、父親が謎の死を迎えるところから始まる。ここから、未確認飛行物体を撮影して儲けようと考えるまでなかなか長く、少し睡魔が襲った。そういう映画のテンポ的なものは決して良いとは言えない。未確認飛行物体を撮影するプロジェクトが決まって人が集まって、事に及ぶところからラストまでは、なかなかの活劇にはなっている。だが、どうも、無駄なカットも多い気はする。映画全体に、今ひとつ、一貫性を感じられないところもシンクロしにくいところだ。

まあ、未確認飛行物体がいるかいないか?というところで、「ずーっと動かない雲がある」という発想は面白かった。そんな雲があったら、何やら不穏んなことが起こるということかもしれない。

だが、結果的にこの物体。UFOとは言い難いし、何か生物のように目を合わせたものを食っていくようなのだが、最後は、カーテンのお化けみたいになって、恐怖感に欠ける。音の使い方とか、映画的にはかなり驚かそうとはしているが、結果的には私は「これはコメディーなのだろう」という結論に達した。その上で、何が起きているのかを整理すれば、世の中に対するいろんな批判精神があったりもするのだろうが、どうも、ドラマ的なものに勢いつけてシンクロできない感じの余韻。こういう映画は私は苦手である。

で、途中で一番印象に残るのは、テレビスタジオでのチンパンジーの反乱シーンである。このシーンと未確認飛行物体との関係はないことはわかるが、この辺りは、エンタメ業界自体への皮肉みたいなものか?凶暴なチンパンジーの姿は、鑑賞後かなり印象的に残ってるのだが、映画におけるその存在意義的なものがわからん。そういう映画なのだ。

確かに「未知との遭遇」のパロディ的な部分もあるだろうし、西部劇とのたまう人もいるわけで、その実態は何なのかということで、言語のよく理解できない日本人で、これが面白いという方はかなり少数派ではあるのだろう。ハリウッドも定型的なエンタメとは別にこういう今ひとつ、映画の周波数にこちらの古い頭を合わせるのに難儀するものが増えているようにも感じる。

で、この映画、結末は未確認飛行物体の撮影に成功するわけだが、それが世の中でどう受け取られるかというとことは描いていないわけですよね。まあ、ネットでバズることはあるかもしれないが、だからどう?って話なわけで、なんか、多数のモヤモヤを残したままに映画館を後にした。

すみません、ちゃんとした感想が書けない私であります。


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